大晦日に開かれるクラシック・コンサートの手伝いをすることとなった杉原爽香。準備が着々と進む中、思いがけず誘拐事件の渦中に巻き込まれてしまった。犯罪の片棒を担ぐ者や、愛息を奪われた夫妻。悲劇の当事者たちはさらなる泥沼にはまっていき…。爽香は相次ぐ事件の連鎖を断ち切ることができるか!?読者と共に登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ第31弾!

今回の誘拐事件とそれに派生した殺人事件に関しては爽香は全くの部外者で関わりは無かったんですよね。でも、気づいてしまったから関わってしまった。ホントそんな性格ですね。でも、犯罪者に罪を重ねさせることはなかった。ちゃんと罪を償わせた。凄い事だと思います。
そして今回のもう一人の主人公は爽子かな。指揮者の谷崎への対応とか本当に爽香の影響を受けていますよねー。生まれた時から知っているのに大きく立派になって…と気分は近所のおばちゃんでした。最後には悲しい別れ。正直爽香の兄夫婦が死んだ時よりもよっぽど衝撃的でショックだった。最近はあまり登場していなかったけど最初の勇ましくて屈強なイメージが残ってる。まだ若いのに…。今回はとても余韻が残りました。
既刊は残り1冊。去年の10月から読み始めたのでちょうど半年くらいですか。30年分読んだんだなぁとなんだかしみじみします。

<光文社 2018.9>2020.4.7読了