「杉原爽香の娘を殺して」夜明け前の公園で交わされた契約が、危険な事件の連鎖を誘い込む。不穏な思惑などつゆ知らず、学校行事の一環で山間のキャンプ地に赴くこととなった爽香と娘の珠実。楽しいはずの旅行先で、殺意は着実に迫りつつあった…。新たな事件、移ろう人間関係、それぞれの成長。登場人物が読者とともに年齢を重ねる大人気シリーズ第三十弾!

冒頭は爽香の誕生会から始まります。
爽香も44歳。みんなが爽香を祝っていて、信頼度が伝わってきますね。
兄充夫の家族も支えてきましたもんね。三兄弟もすっかり大きくなって…そして別れもありました。
読んでいるこちら側としては失礼ながら良かった…と思ってしまいます。爽香が悲しいと思いつつもほっとした気持ちも分かります。自分の家庭もあるのに援助するのは本当に大変だと思うし、更にずっと働けないし病院代もかかる。生きたいという意欲もきっとなかったんだろうし…。両親とも若くして亡くなって子供たちは可哀相だけど。
そして爽香にうらみのある人物が爽香を苦しめようと殺し屋に珠実の殺害を依頼します。
本当に、逆恨みも良いところですよね…。
助かったのはやっぱり周りがちゃんと爽香を心配して支えていたから。爽香が今までしてきた徳がちゃんと返ってきているのが良かった。ホント見返りは求めちゃいけないと思うけど、爽香は人の何杯も求めて良いと思うよ!
珠実ちゃんも大きくなってきましたね…。

<光文社 2017.9>2020.4.6読了