狂おしく激しい愛情、金銭への異常な執着、果てない収集癖、飽くなき野心…。人はあらゆる欲望を絵画に込めてきた。細部に描かれた小さな情報も見逃さず、名画に込められた意図を丁寧に読み解く。
26作品の名画に描かれた人間の業の数々とは!?
雑誌の連載をまとめたものだそうです。絵画の一部分を最初に示し、何の絵なのか、この部分は何を指しているのか。始めに読者に問いかける感じで解説されていったそうです。思考が面白いですね。分かったものもあれば全然わからなかったものもありました。
洋画は何度も見て読まないと覚えられないので^^;中野さんの解説はとても分かりやすくて面白いです。
冒頭に登場したドラクロワの「怒れるメディア」は何も知らずに見たら子供2人を魔の手から守っている母親の絵に見えましたけど、真相を知ってびっくり。
ビアズリーの「踊り手の褒美」という作品は初めて見ましたが、サロメの物語自体ちゃんとわかっていなかったので全てになるほどーと思いました。
レーピンの「ヴォルガの船曳き」は奴隷が船を運んでいるのかと思ったらもっと過酷な労働を強いられていたと知り驚いたり。
絵画にはたくさんの意味が込められているんですね。
これからも読んでたくさんの絵画を知っていきたいです。
<文藝春秋 2019.8>2019.11.27読了