「助けてやれず、済まない…」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、李斎もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎を玉座から追い落とすため。―戴国の命運は、終焉か開幕か!
読み終わりました…。読み終わってしまいました…。
一縷の望みを感じて3巻を読み終え、これから良い兆しが見えるのかと思ったら中盤あたりで奈落の底に突き落とされたような感覚に陥りましたよ…。紙の本だから分かる感覚ですけど絶体絶命でもう驍宗と泰麒が死ぬしかないのかとさえ思った時の残りのページ数の少なさったら!←もう本当に絶望しかありませんでしたが…
まさかまさかの展開にこちらまで唖然としてしまいました…。
優しすぎる麒麟だと言われた泰麒が戴を救うため、民を救うため、麒麟が行うとは思えないことを数々と行ってしまうんですから。もう…言葉になりません。立派になって…と思うと同時に立派になったからこそやらなければならないと決意してしまった、させてしまったという切なさや悲しさがあります。泰麒が療養している時に李斎が泰麒に懸けた言葉はきっと救いになったと思います。
それにしても絶体絶命の中でしたけど驍宗と泰麒の7年ぶりの再会のシーンは感動しました。「蒿里」という名前をすっかり忘れていました。驍宗がそう呼んだ時、読みながら何だか鳥肌が立ったような気がしました。
たくさんの犠牲の上にある結末。決してハッピーエンドではないということを忘れてはいけないとも思いました。
それでも「魔性の子」から始まった戴国の物語。ずーっと気になっていた行く末。それをようやく見届けることが出来て良かったです。本当に良かった。
<新潮社 2019.11>2019.11.15読了
ようやく読み終えました〜
中盤の展開はかなりしんどかったです(^^;)
慈悲の生き物である泰麒があんな行動に出るなんて・・・頼もしいというより私も辛かったですね。でも驍宗が泰麒に「蒿里」と声をかけたシーンは胸が熱くなりました。本当によかった・・と思いました。
これからの物語も知りたいですね。スピンオフ切に希望です♪