新王践祚―角なき麒麟の決断は。李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
一巻と二巻の展開があまりにも残酷すぎて三巻を開くのに1日を要しました^^;
三巻に入っても状況は始めは変わらなくてつらいところもありましたが、少しずつ本当に少しずつ光が見えているような気がして、また今までの出来事に対しての答え合わせも始まってきて、気になって読む手が止まりませんでした。中でも1番何を考えているかわからなかった阿選の感情が出てきたのが印象深かったです。
始めは泰麒と李斎の2人きりでしたが、今ではたくさんの仲間が加わりました。闘いの準備すらできてきました。この一縷の光が大きく光り輝くと信じています。
最終巻を噛みしめるように読んでいきたいと思います。
<新潮社 2019.11>2019.11.10読了