瀕死の妻のために謎の声に従い、二〇一八年から一九六〇年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の先祖・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相の解明が、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は二〇一八年に戻ることができるのか!?“令和のアルフレッド・ベスター”による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第二十九回鮎川哲也賞受賞作。
ツイッターで出版社の方々が話題にされていて気になっていました。
あらすじを読んでタイムトラベルものだしSFだし私は理解できるだろうか…と思いましたが、内容自体はそこまで難しくないので夢中で読みました。まあ、タイムパラドックスの事とかは難しくて理解できていないんですけど^^;
妻の家系が代々呪われており、そのせいで瀕死の状態である妻を助けるために58年前にやってきた加茂。
惨劇を止めるはずが既に殺人が起きており、加茂は怪しまれないために探偵役を演じることに。
ワトソン役は13歳の文香という少女。聡明で可愛らしい女性です。加茂が生きている未来では文香はここで命を落としているのだけど、そうさせないために加茂は奮闘します。
事件に関してはSFが絡んでいるトリックもあり、一筋縄ではいきませんでした。いやもう絶対無理^^;
それでも分からないところもあったけど面白くて一気読みでした。
そして何よりもラストがとても良いです。凄く良い後味。やっぱりこういう終わり方が良いなー。
これからも読んでいきたい新星の作家さんです。
<東京創元社 2019.10>2019.11.6読了