史上最も血液を愛する探偵、ここに誕生!
森に囲まれた紅森市は、昔から殺人事件が多いことで有名だ。紅森署に勤める刑事の桃田遊馬は、日々、難事件と格闘している。そんな彼が頼りにするのは、古い屋敷で血液の研究をしている幼なじみの天羽静也。血液のスペシャリストである静也は、遊馬が半ば強引に持ち込んでくる事件の血液分析を担当し、捜査に協力している。華奢な長身に実験用の黒衣をまとった彼を人は”ヴァンパイア”と呼ぶが、本人はその渾名をひどく嫌っている。
絞殺された大学教授と衣服に付いた血痕の謎。同棲していた女を殺して逃亡中の男と巡査刺殺事件の謎。バラバラ殺人と思われる”リストマン事件”と「運命の血」の謎。殺された女性の首に残された痕と監視カメラに映ったヴァンパイアのような風貌の人物の謎――
そして、ついに明かされる静也自身の”秘密”とは!?
イケメン刑事&ミステリアスな血液研究者の幼なじみコンビが”血”を手がかりに難事件に挑むブラディ・ミステリー開幕!
殺人事件が多い町と聞いたら蝦蟇倉市を思い出したのですが。(余談)
今回は血液のスペシャリストが登場!喜多さんは色んなスペシャリストを登場させますね。やっぱりご自身に理系の知識があるからこういう作品を次々生み出せるんだろうな。凄いです。
連作短編集なので、事件一つ一つは難事件ではないのですが、事件に関係する血液を調べることで分かってくる真実というのが面白かったです。
また分かってはいましたが、桃田と天羽の関係が耽美でしたねー←
恋愛感情ではないんですけど、静也が調べている「ヴァンパイア因子」について固執する理由は何となく予想できました。
こちらのテーマも面白かったのでまた2人に会えたらと思います。
<小学館 2019.8>2019.10.11読了