ランチ酒 おかわり日和
原田ひ香
祥伝社
2019-07-11


オススメ!
バツイチ、アラサー、犬森祥子の職業は“見守り屋”。依頼が入ると、夜から朝までひたすら人やものを見守る。彼女の唯一の贅沢は、夜勤明けの晩酌ならぬ「ランチ酒」。街で出会ったグルメを堪能しながら思うのは、一人娘のこと。別れた夫とその再婚相手のもとで暮らす娘に会えぬまま半年が経っていた。独り思い悩むが、ワケありな客たちと過ごす時間が徐々に祥子を変えていき…。恋(?)の予感の半生ハンバーグとビール、母心のスパゲッティーグラタンとレモンハイ、復活のからあげ丼とハイボール…疲れた心にじーんと沁みる珠玉の人間ドラマ×絶品グルメの五つ星小説!

続編が出るとは思いませんでした。この作品大好きだったのでまた読めて嬉しいです。
今回は前作よりも一つ一つのお話が短いような気がします。でも、祥子のことも依頼人の事も丁寧に書かれている気がしました。見守り屋という仕事があって依頼人と請負人という仕事上の付き合いではあるわけだけど、任務が終わったらそれ以上の関係になっても良いんじゃないかな。
祥子は魅力的な女性です。懐が深いと思ったら結構乙女でうじうじしてるところもあって凄く素直な人だと思います。祥子は明里の母親であることはもちろんだけど恋愛だってしていいと思う。明里とのこと、向こうの家族とのこと、自分の事、少しでも前進したみたいで良かったです。
そしてとにかく出てくる料理がおいしそう!
私はお酒は飲めないのでご飯だけですが、ふらりと入ったお店が当たりだったら嬉しいですよね。
ケチだからほぼ自炊だけど、少しは贅沢して美味しいものを食べたいなと思える作品でした。

<祥伝社 2019.7>2019.9.10読了