育休刑事
似鳥 鶏
幻冬舎
2019-05-23


県警本部捜査一課・秋月春風(あきづきはると)巡査部長。生後三ヶ月になる可愛い息子・蓮(れん)くんのため、刑事としては初めての“育休"に挑戦中——。
七キロの蓮くんと大きい赤ちゃん用バッグを抱え外出するのに慣れた頃、ひょんなことから質屋強盗殺人事件の人質になってしまう。だが蓮くんのウンチやミルクの時間は事件とお構いなしにやってきて。果たして無事に生還できるのか?! (「人質は寝返りをする」)
六ヶ月になった蓮くんを連れて実家からの帰り道、春風は高速道路で特徴的なラッピングカーを目にする。その模様は乗車に疲れぐずる蓮くんをひと時ご機嫌にしてくれたが、知らず知らずのうちに犯罪のアリバイ作りに協力してしまうことに。(「瞬間移動のはずがない」)
県警本部庁舎に不審物が届けられた。それは最近刑務所から出所したある人物からの、復讐予告。春風はある晴れた休日の昼下がり、家族連れで賑わうショッピングモールに出かけた。姉に蓮くんをあずけ、久しぶりにデート気分を味わうはずだったが。(「お外に出たらご挨拶」)
母性神話、育児放棄、DV、親権争い、乳幼児突然死症候群……現代社会の育児における様々な歪みや問題点を、軽やかかつ徹底的にミステリとして描ききった著者渾身の代表作。

育児と刑事、相反する言葉だな…と思いましたが、やはり刑事初!ということになっているみたいですね。
育児の大変さやパパ目線がとてもリアルだなと思い、似鳥さんが経験したことなんじゃないかなと思ったらやっぱりそうだったみたいですね。とてもリアルに伝わってきました。これが日本の現状なんですよね…悲しいことに。
ミステリ部分に関しては鈍すぎる私でも読めてしまうところもありました。最初の事件の事とか、奥さんの沙樹さんのこととか。でも、瞬間移動のトリックはなるほど!と思い面白かったです。
そしていつもの通りの注釈とあとがきが面白かったです。
できれば2人の馴れ初めとかも詳しく読みたかったなー。
あと破天荒なお姉さん最高です^^

<幻冬舎 2019.5>2019.7.22読了