空間が意思と魔力を持ち、様々な魔物が息づく世界・パライナの北端に、誰も訪れない“最果て図書館”はあった。記憶のない館長ウォレスは、鏡越しに“はじまりの町”の少女ルチアと出会い「勇者様の魔王討伐を手伝いたい」という彼女に知恵を貸すことに。中立を貫く図書館にあって魔王討伐はどこか他人事のウォレスだったが、自らの記憶がその鍵になると知り…臆病で優しすぎる少女。感情が欠落したメイド。意図せず世界を託された勇者。彼らとの絆を信じたウォレスもまた、決戦の地へと赴く―人知れず世界を守った人々のどこか寂しく、どこまでも優しい「語り継がれることのないお伽噺」。第25回電撃小説大賞・銀賞受賞作。
タイトルに図書館が入っていたことと^^私が大好きな作家さんの紅玉いづきさんが絶賛されていたので、気になって購入しました。面白かった…伝説や物語が交錯して一つに結びついていく、展開が見事でした。
物語はRPGゲームのようです。はじまりの町があってレベルアップの場があって主人公たちは勝手に食べ物をかっさらっていく^m^ゲームをやったことがある人は入り込みやすいんじゃないかな。
そして最果て図書館で館長をしているウォレス。ウォレスはいつ自分がここに来て館長となったのか、ここに来る前は何をしていたのか、全く覚えていなかった。図書館には人間はウォレスと無表情のメイド、リィリしかいない。魔物に聞いても邪険にされるだけ。そんな悶々とした生活をしていたウォレスは鏡越しにルチアという少女と出会います。
2人が出会ったことは必然で、すべては繋がっていました。その展開が面白くて読む手が止まりませんでした。
全てを理解した後にウォレスが下した選択が良かった。
素敵な物語でした。
<KADOKAWA 2019.2>2019.6.25読了