婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な"恋愛"小説。
婚活がテーマのこの作品。男性目線での婚活は珍しいかもしれないですね。そういえば「クローバー・ナイト」も男性目線でした。
架は社交的でイケメンでモテたから、結婚しようと思えばいつでもできるしまだまだ遊んでいたいみたいな感覚をずっと持っていたんでしょうね。それはそれで仕方ないとは思います。別に悪いことをしているわけではないし。でも、だからこそ結婚というものに直面すると尻込みしてしまったんでしょうね。
読んでいて久しぶりに辻村作品で心をえぐられていると思いました^^;
私は架の友達と真実なら真実に近いと思うんですよね。進学先も就職先も自分で考えましたけど、恋愛に関しては同じような感じで、きっと真実のように嘘を付いたとしても同じようにヘタな嘘だと馬鹿にされるタイプだと思います。真実が相手と結婚できるかどうかの決め手に関して回想するシーンがありましたが、それはとてもよく分かりました。喋り方、食べ方、服装、ずっと一緒にいると思ったら多分気になるし、ましてや全然喋ってくれないとかそれ無理!と私も思います。
にしても、真実の母親は本当に虫唾が走りましたよね。真実を世間知らずにしたのは母親のせいですよね。でも自分のせいだとは認めないし多分気づいていない。そして誰よりも視野が狭い。今問題になっていますよね。子供が考えなければならないことを親が先回りしてやってしまうから子供が自分で考えて選択するということが育たないとか。それに甘んじていた真実も問題ではありますけど、でも親の問題です。真実が家を出る決意をしたのは良かったと思いました
架に関してはうーん…まず女友達がダメでしたね。最初から最後までダメ。何様のつもりなんだろう。真実と違う世界に生きているのは分かるけど、2人の関係に土足で入り込んでいく資格はないですよね。元カノですらないのに。真実が自分と一緒にいる時より楽しそうに見えて嫉妬するとかわかります。自分は呼び捨てで呼ばれないのに呼ばれている。呼んでいる。それにモヤモヤする気持ちは凄く分かりました。
私は合コンもやったことがあるようなないような感じだし、婚活をしたこともないけど、色んなことが見えてきてもうやめてー!と思いつつ読む手が止まりませんでした^^;
私は何もしないでこの年になったけど、これで良いんだろうか…いや、そもそも結婚願望ないんだけど…とかとかとか…えぐられました・・・。
架も真実も正直あまり好きではなかったですが、真実が姿を消したことで2人ともが自分の人生や2人で過ごした時間を見つめ直すことが出来たから、良かったのかなと思います。
最後も本当に良かったです。素敵なエンディングでした。
そして、辻村作品でのリンクもありましたね。この雰囲気凄く読んだことがある…と気になりながら読んでいたのですが読んだ後に他の方の感想を読んで気づきました^m^
<朝日新聞出版 2019.3>2019.5.13読了
これはなかなかにキツイ本でしたね・・・。
苗坊さんは、あのラストで良かったと思われたのですね。
私は真実が取った行動とか、それでも受け入れた彼氏とか、ちょっとよくわからんかったです。
真実の住んでいた町の状況や親の様子を考えると、それはキツイよなあ・・・と思う処が一杯ありました。
彼女が東京、札幌大阪などの都市で生まれ育っていたら・・・?また違っていたのかも・・・と思いました。
https://blog.goo.ne.jp/latifa/e/aea11302e09cc6023a91262f73b4ac0d