はじめたばかりの猟で遭難してしまった潮田亮二、35歳。相棒の猟犬と途方に暮れていたところ、無愛想な猟師・大高に助けられる。かねてからジビエ料理を出したいと考えていた潮田は、大高の仕留めた獲物を店で出せるよう交渉する。しかし、あっさり断られてしまい―。夢を諦め、ひっそりと生きる猟師。自由奔放でジビエへの愛情を持つオーナー。謎の趣味を持つ敏腕サービス係。ふつうと少し違うけど自分に正直な人たちの中で、潮田は一歩ずつ変わっていく。人生のゆるやかな変化を、きめ細やかに描く、大人の成長物語。
雰囲気はタルト・タタンシリーズを思い出すような感じでしたが、読んでいくうちに当たり前ですが違う物語だなぁと想いながら面白く読みました。
優秀な成績で料理学校を卒業したにもかかわらずレストランの経営は失敗続きの潮田。山で1人猟師として暮らす大高。正反対の2人ですが徐々に打ち解け仕事仲間へと変わっていきます。大高の家が火事になったり、オオタカの仲間がライフル銃を盗まれたり、不穏な空気も忍び寄り、最初はフレンチの経営の話で進んでいくのかと思ったらミステリでしたね。大高の前職?は意外過ぎましたが、夢を諦めたっていうくらい懸けてやっていたものだったのかは私は読み取れなかったですが^^;大高という人物はとても魅力的でしたね。
見た目は大男で怖そうだけど、順応性はあるし料理は上手いし別に1人っきりでこもって自分の世界を持っているというわけでもない。潮田が憧れるのも分かります。2人とも互いが出会ったことで成長できたんだろうなと思います。
オーナーや若葉も魅力的でしたねー。この二人もある意味独自の世界観を持っていて生きていて楽しそう。
ジビエ料理って多分食べたことがないです。
私は胃腸弱い芸人なので^^;お肉とかも食べ過ぎちゃうとお腹壊しちゃう人だから、何となく私のお腹との相性は悪そう…。でも、オーナーがみるみる元気になったのなら、私も元気をもらいに食べてみたいなと思いました。
<KADOKAWA 2019.2>H31.3.20読了