土曜はカフェ・チボリで
内山 純
東京創元社
2016-05-29


オススメ!
児童書の出版社に勤める香衣は、とあるきっかけで“カフェ・チボリ”を訪れ、常連客となる。美味しい料理とあたたかなもてなしに毎回すっかりくつろいで、常連客たちは、身の回りで起こった謎について語り始める。それらはいずれも『マッチ売りの少女』や『人魚姫』などアンデルセン童話を彷彿とさせる出来事で―。「皆さん、ヒュッゲの時間です」高校生店主のレンが優雅にマッチを擦ると、謎は瞬く間に解かれてゆく。土曜日だけ営業する不思議なカフェでの安楽椅子探偵譚。

何かの作品を読んだときに、巻末にこの作品が紹介されていたので気になって手に取りました。
デンマークにアンデルセンにヒュッゲ…北欧好きにはたまらないワードがたくさん登場して、読む前からワクワクしていました。読んで良かった。面白かったです。
「マッチ擦りの少女」「きれいなあひるの子」「アンデルセンのお姫様」「カイと雪の女王」の4編からなる連作短編集です。カフェ・チボリに集まるお客様が持ち込む謎に、常連客とオーナーが挑みます。
結末として好きだったのは「アンデルセンのお姫様」かな。私も人魚姫説に賛成したいです。
こちらのお店に登場する料理がどれも美味しそうだし、雰囲気もとっても素敵。私もカイのように人には教えたくなくて、1人で来たいと思うかも。お金持ち高校生のレン君のキャラクターも好き。完璧そうに見えるけどちょっと子供っぽいところが垣間見えるのも魅力的でした。
物語が続いていて仲間というかお友達が増えていくのも素敵です。その中で香衣が自分を見つめ直していい雰囲気に変わっていくのも良かったです。続編が出ても面白いかも。少し前の作品ですが、期待したいです。

<東京創元社 2016.5>H31.2.21読了