ドアを開けたら
大崎梢
祥伝社
2018-09-11


鶴川佑作は横須賀のマンションに住む、独身の五十四歳。借りた雑誌を返すため、同じ階の住人・串本を訪ねた。だが、インターフォンを押しても返事がなく、鍵もかかっていない。心配になり家に上がると、来客があった痕跡を残して串本が事切れていた。翌日いっぱいまで遺体が発見されては困る事情を抱える佑作は、通報もせずに逃げ出すが、その様子を佐々木紘人と名乗る高校生に撮影され、脅迫を受けることに。翌朝、考えを改め、通報する覚悟を決めた佑作が紘人とともに部屋を訪れると、今度は遺体が消えていた…… 知人を訪ねただけなのに……最悪の五日間の幕が開く! 著者渾身の本格長編ミステリー!

あらすじを知らずに読み始めましたが、こんなミステリだとは思いませんでした^m^
大崎さんの作品はミステリではありますけど、どちらかというと日常ミステリが多いので。
人が死んでいるっていう設定も珍しい気がします。だからか探偵役も何だか珍しい感じでした。
54歳の独身男と高校生のイケメン。面白い組み合わせです。親子にも見えるのかな、どうだろう。
第一印象が最悪だった2人ですが、理由が違えど串本さんの死の真相を知りたいという気持ちは一緒で、徐々に打ち解け合っていきます。友達のような同志のような。そうなれたのは2人の共通した悩みがあったからなんでしょうね。仕事でも学校でも辛いものは辛い。それでも共有しあえる人がいたことは2人にとって救いだったんじゃないかなと思います。
真相がちゃんとわかって良かったです。串本さんの想いがちゃんと伝わってほっとしました。
この読み終えた後の余韻と温かさが大崎さんらしくて良いですね。

<祥伝社 2018.9>H30.11.12読了