ハツカネズミと人間 (新潮文庫)ハツカネズミと人間 (新潮文庫)
著者:ジョン スタインベック
新潮社(1994-08-10)
販売元:Amazon.co.jp

一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす―からだも知恵も対照的なのっぽのレニーとちびのジョージ。渡り鳥のような二人の労働者の、ささやかな夢。カリフォルニアの農場を転々として働く男たちの友情、たくましい生命力、そして苛酷な現実と悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描いたスタインベックの永遠の名作。

健君の舞台が決まってからすぐに購入していたのですが、ちゃんと時間をかけて読みたいなと思っていたらいつのまにやら舞台初日が近づいていました。びっくり!え?いつの間に?←
舞台はアメリカ・カリフォルニア。
ジョージとレニーは自分たちの農場を持つことを夢見て、レニーの失態により北より逃げてこの地にやってきた。4日間の物語です。
レニーは大男だけど中身は子どもでジョージに頼り切っている。ジョージはレニーがいなければもっといい人生を送れたのにと言いつつもレニーの事を放っておけない。
レニーが大好きな、ジョージの語り。2人の夢の話。
レニーは全部覚えているのに、自分が話すと違うことを言ってしまうからジョージに話してほしいといつもせがむ。
何度も話しているうちに本当のことのように感じてくる。
その話をしていく中で、片手がない老人キャンディがお金を持っていると言ったことから2人の夢が現実味を帯びていく。
2人の昔からの夢。遠い遠い夢。叶いそうだった夢。
なのに、最後には残酷な現実が待っています。
短いお話なのに、4日間の話なのに、とても長く感じました。
レニーの純粋さが救いでもあり残酷でもあり。
最後の事は事故だとは思います。それでもそれで片づけることは出来ない。
最後のジョージの佇む姿がなぜだか目に浮かぶようでした。
この舞台で健君は、どんなジョージを演じるのでしょうか。
切なくて哀しい物語だけど、ジョージを演じる健君を見たいと改めて思いました。

<新潮社 1994.8>H30.9.24読了