
著者:久住邦晴(くすみ書房・店主)
ミシマ社(2018-08-28)
販売元:Amazon.co.jp
「なぜだ⁉︎ 売れない文庫フェア」「中高生はこれを読め! 」「ソクラテスのカフェ」……ユニークな企画を次々と生み出し、地元はもちろん、遠方からも愛された札幌・くすみ書房の店主。閉店後、病が発覚し、2017年8月末、他界。その著者の遺稿を完全収録。
生前、久住さんと親交の深かった中島岳志さん(東京工業大学教授)が解説を担当。
くすみ書房の「なぜだ⁉︎ 売れない文庫フェア」は、時代に対する痛烈なアンチテーゼだった。品切れ・絶版。本が死んでいく。そんな悪循環に、ユーモアを交えて切り込んだのが久住さんのチャレンジだった。(略)くすみ書房のフェアは、苦境に立つ人間に、常に寄り添っていた。しかし、久住さんは正義を振りかざさなかった。常に笑顔で、優しく、ちょっとした「おせっかい」を続けた。だから、くすみ書房は札幌の庶民に広く愛された。——中島岳志「解説」より
札幌に住んでいる人なら一度は「くすみ書房」という名前を聞いたことがあると思います。個人経営の書店で様々なテーマの本を特集し打ち上げて行った方です。お顔も拝見したことがあります。ずっと行ってみたいと思っていたのですが、結局行かないで終わってしまいました。大谷地へ移転したのもどうしてだったのかなと思っていたのですが、それが苦渋の決断であったことが分かりました。
今回読んだことで久住さんの事を知ることができて良かったです。
息子さんを亡くされていたこと、奥さんの御病気、本当にいろんな苦難を乗り越えて本屋さんを続けられていたんだなと思いました。
またそれと同時に、個人経営の書店がどれほど大変なのかも知ることができました。
また、中島岳志さんの解説も載っていましたが、私は中島さんの講座に参加したことがあります。多分北大にいらした時ですよね。結構フランクに話されていたので、聴きやすかったですし分かりやすかったです。
くすみ書房の存在がこの本として遺ることが道産子としては嬉しく思います。
<ミシマ社 2018.8>H30.9.12読了