あまいゆびさき (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ミ 15-2)あまいゆびさき (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ミ 15-2)
著者:宮木 あや子
早川書房(2016-10-06)
販売元:Amazon.co.jp

団地の隅のシロツメクサの野原で幼い少女たちは出会った。親が過保護すぎる純粋な真淳と、親にネグレクトされる大人びた照乃。正反対の環境で育った二人はたちまち惹かれあう。照乃が真淳に教えた秘密の遊びは二人の絆を強めたが、まもなく遊びが親に発覚して二人は引き離され……すれ違いと邂逅を繰り返し、傷つけ合いながらも互いを全てで求め合う少女たち。複雑で純粋な恋心と大人になるまでの軌跡を描く傑作恋愛小説!

ずっと積読になっていた本です。
内容から百合っぽいのかなぁと思ってはいましたけど、そういうくくりを作ってしまうのが何だか申し訳ないような失礼のような気がします。ただその人の事が好きなだけなのに。
照乃と真淳2人の幼いころからの境遇が哀しくて、読んでいて辛かったです。2人は自分よりももっとすごい人がいると言っているけど、いや、私から見れば子供に暴力をふるうっていうだけで許せませんから。2人の親どちらとも自分勝手だもの。そのせいで2人は離れ離れになってしまったようなものだし…。
それでも二人は自分の力で自分がやりたいことを見つけて前向きになっていく姿が輝いて見えました。
奥井やユリカの存在も良かったです。いい友達。良い仲間。
自分の利益のためにくっついたり離れたりする友人という名前の人たちよりもよっぽど信頼できますよね。
単行本の装丁にはちょっと驚いてしまったのですが^^;
読んで良かったです。

<一迅社 2013.4
 早川書房 2016.6>H30.6.24読了