三千円の使いかた (単行本)三千円の使いかた (単行本)
著者:原田 ひ香
中央公論新社(2018-04-18)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
24歳、社会人2年目の美帆。貯金に目覚める。29歳、子育て中の専業主婦、真帆。プチ稼ぎに夢中。55歳、美帆・真帆の母親、智子。体調不良に悩む。73歳、美帆・真帆の祖母、琴子。パートを始める。御厨家の人々が直面する、将来への不安や人生のピンチ。前向きに乗り越えたいからこそ、一円単位で大事に考えたい。これは、一生懸命生きるあなたのための家族小説。「8×12」で100万円貯まる?楽しい節約アイデアも満載!

以前読んだ原田さんの作品がとてもお気に入りだったので新刊を読みました。なので、全然ストーリーは把握しないで読んでいたのですがはまって一気に読んでしまいました。面白かった。
色んな年代の色んな環境での将来の不安。分かる部分もたくさんあって勉強にもなりました。
皆素敵だったけど、1番好きだったのはやっぱりおばあちゃんの琴子さん。凛としていてでも可愛らしくて素敵。私もこんなちょっとおせっかいの優しいおばあちゃんになりたいななんて思いました。「七十三歳のハローワーク」がお話として1番好きでした。人柄って大事ですよね。一千万の貯蓄があっても将来は不安ですよね。だから琴子さんの行動はかっこいいなと思いました。安生との関係も良かったし、そのお陰で安生ときなりも幸せになれそうでよかった。でも琴子さん、働いて所得が増えると翌年から国民健康保険料が上がると思うから気を付けて!75歳になってからの後期高齢者医療保険料も同様ですよ!←
でも、琴子さんが働き始めて孫が涙ぐむ意味がよく分からなかったです。働いている姿がダメなのかな。ちょっと安そうな制服を着ているのがダメなの?どうして泣いているのか少し解説はあったけど私は理解できなかったです。それは読者側は琴子さんの心情を読んでいるからなのかな。
真帆の家庭は理想的ですね。ちゃんと節約していて旦那さんはイケメンで優しくて晩御飯がハンバーグだと喜んでくれて子供は可愛い。なんすかこれ、理想的すぎません?これで一千万貯めれたらもう何も悩みはないですね←
美帆も変わりそうだったのに、最後ちょっと心配になりましたね。前向きな最後でしたけど、私は結婚は反対だな。って言えるのは私が将来旦那さんにしたいと思えるような人と出会ってないから言えるのかな。でも、愛だけでは生きていけないからなぁ←それに、作品の中でも言っていたけど、彼とだけ家族になるわけじゃないからね。彼の家族とも家族になるんだから。私はあの家族と家族にはなりたくないなぁ←
お母さんの智子さんも自分の責任もあるけど熟年離婚を一瞬考えてしまった気持ちも分かるなー。それでもちょっと意見を言うようになったことで意外と旦那さんも柔軟な考え方が出来ることが分かって良かった。
私も独身女性ですから、将来の不安もないわけではないんですよねー。今考えるのはダメだと言われつつコンパクトマンションをいつか買うのが目標ではあるんですけど^^;私も黒船スーコさんの講習会に行ってお金が貯まるコツを学びたい。
でも『お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。』という言葉も忘れずにいたいなと思います。

<中央公論新社 2018.4>H30.6.17読了