永い言い訳 [Blu-ray]永い言い訳 [Blu-ray]
出演:本木雅弘
バンダイビジュアル(2017-04-21)
販売元:Amazon.co.jp

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれる夫を演じることしかできなかった。そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会う。幸夫と同じように妻を亡くしたトラック運転手の大宮は、幼い2人の子どもを遺して旅立った妻の死に憔悴していた。その様子を目にした幸夫は、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る。なぜそのようなことを口にしたのか、その理由は幸夫自身にもよくわかっていなかったが……。

先日WOWOWさんで放送されていた今作。観ましたー。
ずっと気になっていたのですが結局ずるずる見ていなくて。
率直な感想としては良かった。素晴らしい作品でした。
冒頭はね、主人公がうじうじグダグダ文句を言っていて奥さんが泊りがけで旅行へ行った途端に不倫相手を呼び寄せて情事を重ねて「なんだコイツは最低だな!」と思って観ていたんですけど←言い方
そのせいで更に自責の念に駆られていたんですよね。
人前では出来る男を演じていて、でも実は自分に自信を持っていなくて、それでも奥さんにはその自信のなさを吐き出せる。奥さんにとってはいい迷惑だったでしょうが、知らぬ間に(いや、最初から?)奥さんは大きな支えとなっていて指針となっていて、でも有名になったことでそれを忘れてしまっていたのかなぁ…。でも奥さんを亡くしてしまったことで、嫌でもそれを思い出すことになってしまった。更に奥さんが亡くなった時に自分がしてしまっていたこともプラスされて、まあ辛かったと思いますよ。自業自得だとは思いますけど(ひどい)
大宮一家と出会ったことは幸夫にとって良かったことだと思います。何が良かったって生前妻が交流していた人たちと出会って関われたことですよね。
大宮さんは開口一番幸夫のことを「幸夫君!」と言ってました。初対面なのに何度も会っている友達のように。それは夏子とよく会っていたから、夏子が幸夫の事を話すから何度も会っている友達のように感じていたからだと思います。
真平も灯もたぶんそう。初対面だけど初対面じゃない想いもきっと持っていたと思います。何もかも知らないのはきっと幸夫だけ。灯の誕生日の席で勝手に孤独感を感じてしみったれたことを子どもの前でも言ってましたけど(だから言い方)「なっちゃんは幸夫君の子供が欲しかったと思うよ」この言葉はうわべだけではなくちゃんと夏子と関わっていたから分かって出た言葉だったんだと思います。幸夫は怒っていたけど…でもそれも分かっていたのかな。だから怒っていたのかな。分からないですけど…。
幸夫の髪の毛がどんどん伸びてきていて、同じように真平と灯の髪も伸びていて、灯が自分で髪を切っているシーンを見て、この2人も夏子に切ってもらっていたんだと気付いたとき、涙しました。
真平君がまた良かったです。お父さんのように真っ直ぐ悲しい辛い泣く。そう言うことが素直にできない。なぜ泣かないのかって言われてもみんなが素直に泣けるわけじゃない。真平は父より幸夫の方が自分に近いと悟っていたのかもしれないですね。
2人が父親を迎えに行く途中の汽車でのシーン。良かったなぁ。
死んだのが母じゃなくて父だったら良かったのにと思ってしまった。
その父親がきっと誰よりもそう思っている。
2人のやり取りが深くて重い。人は強いけど弱い。
「自分を大事に思ってくれる人を簡単に手放しちゃいけない。みくびったり貶めちゃいけない。そうしないと僕みたいになる。僕みたいに愛していいはずの人が誰もいない人生になる」という幸夫の言葉が印象的でした。
上手くまとまらないけど、良かった。素晴らしかったです。
また脇を固める俳優陣達も良かったですね。
深津さんもそうだし、マネージャー役の池松さんも良かった。山田さんも良かった。黒木さんも良かった。エロかった←木村多江さんも声だけで出演してたそうだけど、どこだったんだろ。気づかなかった^^;シゲも出てましたね。いけ好かなかったー
この映画は前々から気にはなっていたのですが、観ようと思ったのは「Remember your love」は「永い言い訳」の世界観から生まれた曲だと知ったから。
あらすじを読んだだけでも似ている…と思ったけど、映画観てからこの曲を聴いたらもうそのままですよね。「Remember your love」は失恋ソングですけど「別れ」が「死」だったとしたら。そう思って聴いたらぴったりでした。切ない。悲しい。
健君が歌詞に尋常じゃなく時間をかけて創り上げたというのも納得です。
今聴いたら泣きそう…。
にしても健君は主人公に似ていると思ったそうですが…似てるの?
私はアイドルの健くんしか分からないからなぁ。プライベートの健くんはそうなのかな。
こういう見方で映画をみてみるのも面白いなと思いました。
ようやく観ることが出来て良かったです。