ランチ酒ランチ酒
著者:原田ひ香
祥伝社(2017-11-14)
販売元:Amazon.co.jp

犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール…今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。

初読み作家さんでした。タイトルが気になって読んでみました。読んで良かったー。面白かったです。
アラサー、バツイチ、職業は「見守り屋」。何だか訳あり感満載の祥子という人物。
連作短編集になっていて、少しずつ証拠の境遇が明らかになっていきます。
また深夜の見守り屋という仕事の依頼は本当に様々。軽い認知症の母親の傍に一晩だけいてほしいとか、ペットと一晩過ごしてほしいとか、部屋の片づけを手伝ってほしいとか自慢話をただ聞いてほしいとか本当に色々。それでも、物腰の柔らかそうな祥子には合っているのかもなーと読んでいて感じました。同じ空間にいて良い雰囲気の人と悪い雰囲気の人っていますよね。祥子は前者だなと。
そしてその仕事帰り、ランチを食べたら帰って寝るだけのため、祥子はランチに情熱を注ぐ。読んでいてお腹が好きそうでした。どの料理も美味しそうでまた肉が多い^^私はお酒がほとんど飲めないのでお酒のくだりは想像することしかできなかったのが残念でした。
そして祥子の事。祥子の境遇はどうなんだろうな、娘と一緒に住むのが良いのか悪いのか…祥子もずっと考えている事なのだと思うけど…。でも淋しいけど娘の事を考えたら、祥子の選択は間違ってはいなかったのかなと思います。正しいかは分からないけど…。うーん…結婚すらしていない私が言うのもなんですね…。うん、深追いはしないでおきます。
それでも祥子は素敵な友達に恵まれましたね。
1番辛い時に衣食住を与えてくれる友人がいるって本当に幸せなことだと思います。
また落ち込んでいる時に進んで外に出してくれる友人も。3人の関係がとても素敵でした。
祥子の今後も少しだけ見てみたい。続編が出るのは難しそうだけど、娘さんとの関係がどうなったのかだけとても気になりました。

<祥伝社 2017.11>H30.1.9読了