
著者:似鳥 鶏
文藝春秋(2017-05-10)
販売元:Amazon.co.jp
お馴染みの楓ヶ丘動物園の飼育員たち――大型哺乳類担当の僕(桃本)、げっ歯類担当の七森さん、ツンデレ獣医の鴇先生、そしてカルト的人気、爬虫類担当の変態・服部くん――が、動物たちにまつわる謎を解き明かす、人気ミステリーシリーズ最新刊!
楓ヶ丘動物園飼育員たちが休日にバーベキュー、僕と服部くんは買出しに出かける。犬の散歩をしている男に道を訪ねたのだが、連れていた柴犬の様子に僕は不審を抱く。
(「いつもと違うお散歩コース」)
七森さんに憧れるボランティア少年長谷井翼君の友人・今成君の家猫スコティッシュフォールドのトビーが男に連れ去られたという。トビーは夜帰ってきたのだが、オートロックで密室の家に、男はどうやって侵入し、トビーを連れ出したのか?(「密室のニャー」)
楓ヶ丘動物園飼育員メンバーの面々が、警察署から連れ立っての帰り道、僕の頭部にフクロモモンガが飛来してきた。どうも古いアパートの二階から逃げたらしいのだが、部屋の様子がおかしい。ドアを開けたところ、そこには部分的にミイラ化した死体が……。ケージもあり、ここで飼われていたことは間違いないのだが、いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガ(モモモ氏)の世話をしていたのか?(「証人ただいま滑空中」)
体長は最低でも1メートル、体重も最低50キロという謎の大型生物が山の集落に出現。その「怪物」を閉じ込めたと聞いて向かった廃屋はもぬけのからだった。「怪物」はどうやって抜け出したのか?考え込んでいた鴇先生の顔が蒼ざめる……。(「愛玩怪物」)
シリーズ第4弾です。
今回は短編集なのですが、どの作品もなかなかヘビーですね…。
このシリーズは舞台が動物園なのにどの作品も結構内容が濃くて読み始める時はちょっと気合を入れないといけないような内容です^^;
でもそれは実際に動物園で起きている事だったり現代の日本で起きている事だったりするんですよね。私は動物を飼っていないですし飼おうとも思っていないので、この作品を読んで知ったことがたくさんありました。
ペットショップの現状も本当だったら怖いし、外来種の動物を飼えないからと平気で捨てたりする人がたくさんいるんだとしたら怖いし、でもそれは現実問題なんですよね。
そして最後の愛玩怪物…こちらも人間のやっていることは問題ですがそれよか密室殺人のトリックの真相←が怖すぎました…。ある意味ミステリというよりホラー…
桃くんって女性に対するあの優しさは何も考えないでやってるんですかね?言ってるんですかね?だとしたら相当罪な男ですね←
<文芸春秋 2017.5>H29.12.11読了