鎮憎師鎮憎師
著者:石持 浅海
光文社(2017-04-18)
販売元:Amazon.co.jp

赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される…。奇想の作家が生み出した“鎮憎師”という新たなる存在。彼は哀しき事件の真相を見極め、憎しみの炎を消すことができるのか―。

3年前に付き合っていた彼氏に殺されかけた仲間と久しぶりの再会、しかしその仲間は再び事件に巻き込まれた。事件としては本当に悲しいものでしたね。被害者の夏連が東京に来なければ、呼ばなければ。たらればの話なんですけどそう思わずにはいられないような展開。
この事件の軸となるのは殺人の連鎖。殺人事件があり、被害者の恨みを晴らそうと更なる犠牲者と加害者が生まれるのを未然に防ぐために主人公たちが真相を探っていくという話なのですが。
石持作品は全体的に物的証拠などは考えずに想像で事件の真相を突き詰めていく感じが多い気がするんですけど、今回はなんとなく結構ぶっ飛んでいたような気が^^;
悪くはないんですけど、あ、そういう感じになっていくのねってちょっと置き去りになっているような。人と人との心理戦は面白かったですが。
でも、容疑者候補の人たちが怒っていたけど、3年前に娘の友人と連絡を絶ったのも、今回のお葬式で参列を拒否したのも、私は両親の気持ちわかるけどな。非常識とは思わないけど…。
石持さんが書かれる女性の言葉遣いってなんか変な時ありますよね←
30前後の若いお母さんなのに子供に「これ!」って怒るとか^^;あれ凄い違和感だったんですよねー。この作品ではないですけど。
今回も女性が「貴様」とは言わないでしょ。いくらブチ切れてても。「お前」とか「てめえ」とかの方がまだわかるような(私だけの感覚か^^;)
それに「お主」って何?最初冗談で言ってるかと思ったんですけど…。
何だかそういうところばかり気になってしまって残念でした^^;
ぶっ飛んでいても座間味君シリーズとか、碓氷優佳シリーズはすんなり受け入れられるんだけどなー。この作品は受け入れるという点ではちょっと微妙でした。
事件の真相に関してはなるほどと思いましたけど。何だか辛口になってすみません…。

<光文社 2017.4>H29.8.9読了