じごくゆきっじごくゆきっ
著者:桜庭 一樹
集英社(2017-06-05)
販売元:Amazon.co.jp

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む全7編。青春・SF・家族ドラマ…。読了後、世界は動き始める。想像力の可能性を信じる、著者10年間の軌跡。

ゴシックシリーズ以外で桜庭さんの作品を読むのは久しぶりでした。
そう言えばこういう作風だったなと思い出しました^^;内容はスプラッタでもゴシックシリーズは基本的に可愛らしいからな…。
なかなか内容の濃い7編でしたねー。この作品は「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の後日談があるということで気になっていたんですけど…え?全然わからなかった^^;まあ作品の内容もほとんど覚えていなくて、海野藻屑くらいしかちゃんと覚えていないんですけども…。藻屑の父親がイケメンだけど暴力的だった気がするので「ゴッドレス」のお父さんがまさにそんな感じだなと思ったのですが、「暴君」と「脂肪遊戯」が後日談だそうで…。えーと…どのあたりが?^^;分からなかった…残念。
「ビザール」の同世代の男の子とおじさんを好きになる女の子の話(ざっくり)がなんだか普通の話のように感じてしまう…。将来を考えると同世代の男の子なんだろうけど、話が合うほうが楽しそうだから私はおじさんが良かったかなー。と思ったのですが。でも結末がなんとも切ない感じになっちゃいましたね。
「A」はアイドルの話。何だかこちらも最後は切なくて可愛そうでした…。五月雨の涙がせめてもの救いだったかなぁ。
「ロボトミー」いやー…こちらも怖かったですね。友達母娘を超えてますよね。異常でした。そんな異常な愛を注いでいたにもかかわらず1番気づかなければいけないところで気づかなかったのが酷い話ですね。
「じごくゆきっ」この作品は桜庭さんっぽいなぁと思ってちょっと安心しました^^;それにしても24歳でこんなんで大丈夫なんすかこの先生は。今回は桜庭さんの出身地が何度も出てきましたねぇ。私は1度も訪れたことがないので気になりました。
「ゴッドレス」先ほども書きましたが、海野藻屑の父親を思い出しました。たしか暴力が酷くて、藻屑が足を引きずっているのも父親の虐待のせいじゃなかったかな。ニノの歪んだ愛情はきっと父親(と少し母親)のせいなんじゃないかなと思います。事件の真相はどうなんだろうなぁ。本当なのか違うのか。
「暴君」「脂肪遊戯」最初と最後が対のようになっているんですね。この2作は10年以上前に書かれた作品みたいでびっくりしました。それにしても紗沙羅とか翡翠とか相変わらずすごい名前だ。この2作品も桜庭さんらしい作品でしたね。ちょっと切ない悲しい話でした。
全体的に気持ち悪くてモヤモヤする作品が多かったですが^^;桜庭作品の世界観を堪能しました。

<集英社 2017.6>H29.7.25読了