
著者:辻村 深月
ポプラ社(2017-05-11)
販売元:Amazon.co.jp
オススメ!
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
本当に一気読みでした。止まらなかった。
辻村さん、作風が少し変わりましたね。以前書かれていた学生ものとちょっと変わった気がします。やっぱりお母さんになられたからなんでしょうか。
といいつつも、初期作品は読んでいないのもあるのでエラそうなこと言えないんですが^^;
主人公のこころは中学1年生。ある出来事をきっかけに学校へ通うことが出来なくなります。通学していたのは1か月。親は学校ではなく「心の教室」というスクールにこころを誘います。そこで出会った喜多嶋先生がこころにとって印象的な先生で。
王様のブランチでも紹介されていましたが、この喜多嶋先生と中学校の担任の伊田先生という2人の先生が登場します。こころへかける言葉は正反対。それぞれ意図があって言ってるのかなーと思ったのですが、伊田先生に関しては大きな間違いでしたね。自分の立場しか考えていない。生徒の立場に立っていない。本人の気持ちとしては別にこの生徒が学校に来ようがどうしようが別に気にしていない。そんな印象でした。あれはひどすぎる…。でも、通じないんですよね。自分がどれほどこころにとって酷いことを言っているのか、分かっていないんですよね。自分の立場だったらってきっと考えていないから。
喜多嶋先生の事も私は多少怪しんでました^^;ひねくれたやつです。喜多嶋先生は本当に心配していたのに。
こころが過ごした城で出会った似た境遇の中学生たち、そのカラクリについて話す機会があるのだけど、私はその段階で気づいてしまったんですよね。なのに7人が違う方向へ話を進めようとするから、違う!違うよー!!ちょっと聞けばわかることなのにー!!ってイライラしながら読んでました^^;まあそこが早く分かってしまうといけないことだったから良いんですけどね。
読んでいくうちにいろんなことが分かっていって、最後まで読み終えたときに余韻に浸りたくてペラペラ読み返したりしました。全編読んでいてあれ?と思うところがあったのですがきっと伏線だったんですよね。ゲームに関してのこととか絶対書いてあると思うのだけど…探す気力はなく^^;
それでも本当に素晴らしい作品でした。
こころはとても強い子でした。それに今度は力強い味方がいるからきっと大丈夫ですよね。皆もきっと大丈夫。そしていつかきっとまた会える。
幸せな気持ちで読み終えました。
<ポプラ社 2017.5>H29.7.12読了
差後は現実世界でもみんなで集まるんだと思ってたんですが、違っててびっくり!泣いちゃいましたけどね。
でもいつか、みんなで集まれる日が来るといいなぁと思います。