カンパニーカンパニー
著者:伊吹 有喜
新潮社(2017-05-22)
販売元:Amazon.co.jp

合併、社名変更、グローバル化。老舗製薬会社の改革路線から取り残された47歳の総務課長・青柳と、選手に電撃引退された若手トレーナーの由衣。二人に下された業務命令は、世界的プリンシパル・高野が踊る冠公演「白鳥の湖」を成功させること。主役交代、高野の叛乱、売れ残ったチケット。数々の困難を乗り越えて、本当に幕は開くのか―?人生を取り戻す情熱と再生の物語。

あらすじを読んで過程が辛いことばかり起きるのかなと思ってドキドキしながら読んだのですが^^;確かに大変なことがたくさんありましたけど、人間関係はとても良くて、もちろん内容も面白くて一気読みでした。一気読みがもったいないくらい。
総務課長の青柳が配属された先はバレエ団の出向。青柳はどう対応するのだろうと思いましたけど、言われたことはきちんとやるいい意味で素直で真面目な人なんだろうなというのが伺える人でしたね。私は嫌いではなかったです。それにしても縁故採用ってめんどくさいっすね…夫婦仲が上司に筒抜けって嫌すぎる…そして夫婦仲の良しあしで自分の評価が決まってしまうとか虫唾が走る。青柳は上司に酷評でしたけど、それは上の頭が固すぎるんじゃないかなぁ。それは由衣に対してもそうだけど。由衣に対する言い方、今だとセクハラって言われますよ。読んでいて不快感しかなったです。私も割と大女だからこういうこと言われたらへこむしさっさとこんな会社辞めたいと思って読みました^^;
そんな二人が深くかかわっていくことになるバレエ団との関係がとても良かったです。
バレエ団に所属する人たちはみんなバレエのことが大好きで、だからか情熱的でまっすぐで、眩しかったです。
青柳と美波、高野と由衣、なんだかだんだんニヤニヤしてしまいそうな展開になって読んでいて楽しかったです。公演についてもドキドキしましたが、良かった…。
そして公演後の話が大好きです。特に高野と由衣。2人とも素直になればいいのに。
読んでいてこちらも元気づけられました。
やっぱり伊吹さんの作品大好きです。

<新潮社 2017.5>H29.7.6読了