
著者:似鳥 鶏
KADOKAWA(2017-03-29)
販売元:Amazon.co.jp
画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり…。二人のもどかしい関係の行方は―?見ていた世界が鮮やかに裏切られる、仕掛けと驚きに満ちたミステリー!
気になっていた作品、ようやく読めました。
似鳥さんらしい、ちょっと変わった子たちが青春してましたね←ざっくり
章を追うごとに主人公たちは成長していき、高校生から最後は社会人へと移り変わっていくのですが、その間に何度か主人公たちは事件に巻き込まれます。
どれも絵画にまつわる事件で、いつも千坂桜がひらめき、礼が千坂の想いを言葉にしていきます。
どの事件もなるほどと思うのですが、読んでいくうちに更なる真実をも知ることになります。いやー面白かったです。
そして冒頭を読んで最後は悲しい感じになるのかと思ったら、優しくて可愛くて青春っていう感じ←こういうラストが良いなぁ。
主人公の礼も少し変わった男の子でしたが、なぜか高校時代からまとわりつく風戸も千坂ももちろん風変り。それでもみんな優しくて相手の事を思い合っているのも分かって、3人は良い関係を築いていましたね。羨ましい。
千坂は不思議な女の子なのかと思ったら、いや、実際そうなんですけど胸に秘めている想いが大きくてそしてそれが悲しくて切なくて、そんな大きなことを抱えていたのかと驚きました。
それでも礼はちゃんとそんな千坂を受け入れていましたね。それが可愛かった。
素敵な作品でした。絵ももうちょっと勉強しよう。「光の帝国」しか知らなかった。そしてそれも同名小説を読んでいたから知っていたという事実…
<角川書店 2017.3>H29.6.2読了
唸らされましたし、キャラも立っていて青春小説としても
とても楽しめました。
最後は切ない終わり方になるかと思ったのですが、
未来の明るさを感じさせるいい終わり方でしたよね。
風戸も含め、主要登場人物の三人の関係がとても
良かったです。
絵画を観るのは大好きですが、私も知らない絵が
多かったです。実際の絵の写真が挿入されていたので、
トリックも想像しやすくて良かったです。