
著者:青羽 悠
集英社(2017-02-24)
販売元:Amazon.co.jp
中学三年生の夏休み。宿題が終わっていない祐人は、幼馴染の薫、理奈、春樹とともに、町の科学館のプラネタリウムに併設された図書室で、毎年恒例の勉強会をおこなっていた。そんな彼らを館長はにこやかに迎え入れ、星の話、宇宙の話を楽しそうに語ってくれた。小学校からずっと一緒の彼らを繋いでいたのは、宇宙への強い好奇心だった。宇宙の話をするときはいつでも夢にあふれ、四人でいれば最強だと信じて疑わなかった。時が経ち、大人になるまでは――。
祐人は昔思い描いていた夢を諦め、東京の大学を卒業後、故郷に帰り、公務員となった。そんな祐人を許せない理奈は、夢にしがみつくように大学院に進み、迷いながらも宇宙の研究を続けている。薫は科学館に勤め、春樹は実家の電気店を継いだ。それぞれ別の道を歩いていた彼らが、館長の死をきっかけに再び集まることになる――。
第29回小説すばる新人賞受賞作。史上最年少記録だそうです。
16歳だということは存じておりましたが…プロフィール見て2000年生まれって書いてあってひえー!となりましたよ^^;2000年なんて最近だよ…。
まあそんなことは置いておいて。読みました。
まず思ったのは…えーと、本当に書いたの16歳の人なんですか?っていう^^;
夢を追いかけ続けている人、諦めた人、逃げた人。「夢」に対していろんな想いを抱えた人たちが出てきました。20代半ばなんて特にそうですよね。もう自分で考えて生きていかなければいけない時期で、夢を追いかけて良いのか諦めるべきか。人は誰しもが抱える問題だと思います。
私も夢はあったけど、でも夢を追いかける自信がなくて就職を機に諦めて。諦めたつもりだったけど諦めきれなくて。社会人になって10年、ずっと考えて悩んでいる感じです。でも、その状態は悪いことではないのかなと今は思います。ちゃんと考えていることが大事なのかなと。
祐人も理奈も薫も春樹もそれぞれの道を歩んでそれぞれがちゃんと自分の道を見つけていて、それが良かったです。
また館長や乃々さんたちも、謎が分かって、それぞれの想いが分かって良かったです。
面白かったです。
<集英社 2017.2>H29.4.16読了
自分があの頃、抱いていた夢のことを思いながら読んでしまいました。みんな、それぞれ迷ったり悩んだり葛藤しながら生きてるんだよなぁと、そんなことを改めて思ったのでした。
最後は、4人がそれぞれの道に向かって歩み始めることが出来て良かったですね。