情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)
著者:伊吹 有喜
角川春樹事務所(2017-02-14)
販売元:Amazon.co.jp

かつて新宿追分と呼ばれた街の、“ねこみち横丁”という路地の奥に「BAR追分」はある。“ねこみち横丁”振興会の管理人をしながら脚本家を目指す宇藤輝良は、コンクールに応募するためのシナリオを書き上げたものの、悩んでいることがあって…。両親の離婚で離れて暮らす兄弟、一人息子を育てるシングルマザー、劇団仲間に才能の差を感じ始めた男―人生の分岐点に立った人々が集う「BAR追分」。客たちの心も胃袋もぐっと掴んで離さない癒しの酒場に、あなたも立ち寄ってみませんか?大人気シリーズ第三弾。

また逢えました〜。嬉しい。このシリーズ大好きです。
ただ、宇藤君に関しては良くも悪くもイマドキの青年で好きではない部分もあるんですけど^^;でも夢を追い続けている姿は私も見習いたいなと思っています。今回書き上げた脚本に関しては私もたぶん主人公の女の子は嫌いだと思うけど←
今回BAR追分にやってきたお客さんの話もそれぞれ色々ありましたね。両親の離婚で東京と山梨それぞれで暮らすことになった兄弟。兄は東京で暮らして働いていて、もしここにいたのが弟だったら。そう考えているのが切なかったですね。でも弟の明るさがとても良かったです。多分この形が良かったんじゃないかな。兄弟を離れ離れにさせるのはちょっとどうかと思ったけど。
シングルマザーの話も良い話でした。町内会長さんの遠藤がいい味出していましたね。そうそう、良くしていただいて自分は何もできないって思っていたら、それは他の同じように困っている人に返せばいい、私も似たようなことを言われたことが何度もありました。私はまだもらってばかりで返せてないなーと思って、返せる人間になりたいなーと思います。そしてとにかく柊君が可愛かった^^
最後の話が私にとって1番グッときました。自分も少しは似たようなことがあるのかもしれないです。空開さんの言葉が私にもグサグサ突き刺さりました。
タイトルの「情熱のナポリタン」最後まで読んだら空開さんの強い想いがさらに伝わってきます。私も好きなことへの情熱を持ち続けて生きていきたいなと思いました。
エンドロールも良かったです。桃子ちゃんはいつも美味しそうな料理を作って優しい素敵な人だけど、きっと桃子ちゃんも過去に色々大変なことがあったんだろうなと思います。宇藤君とどうにかなるのかなぁ。そこも気になるところ。
何だか終わりそうな雰囲気だけどこのシリーズはずっと続いていってほしいです。

<角川春樹事務所 2017.2>H29.4.8読了