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「かもめ食堂」の荻上直子監督が5年ぶりにメガホンをとり、トランスジェンダーのリンコと育児放棄された少女トモ、リンコの恋人でトモの叔父のマキオが織り成す奇妙な共同生活を描いた人間ドラマ。生田斗真がトランスジェンダーという難しい役どころに挑み、桐谷健太がその恋人役を演じる。11歳の女の子トモは、母親のヒロミと2人暮らし。ところがある日、ヒロミが育児放棄して家を出てしまう。ひとりぼっちになったトモが叔父マキオの家を訪ねると、マキオは美しい恋人リンコと暮らしていた。元男性であるリンコは、老人ホームで介護士として働いている。母親よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いを隠しきれないトモだったが……。

久しぶりに映画を観に行きました。ずっと気になっていた映画。観れて良かった。
公開されて2週間経っていますが私が観た回はほぼ満席でした。
全体的にゆるいやさしい空気が流れているのだけど、でもトランスジェンダーや同性愛などのLGBTの人たちの事をちゃんと取り上げているところがとても良かったです。
カイ君の母親が言っていた「普通」ってどういうことだろう。
そして普通が良いのはなぜなのか。普通じゃなければダメなのか。よく分かりません。
男性は女性が好き。女性は男性が好き。人は結婚しなければいけない。子供がいなければいけない。それが普通ということなんでしょうか。それなら私は普通ではありません。
マキオとリンコの関係がとても好きでした。マキオがリンコに一目ぼれしたとトモに惚気るシーンが好きでした。あまりにも素直過ぎるけどリンコのお母さんも好きでした。中学生のリンコに対する対応が素敵でしたし、トモに対しても「リンコを傷つけたら容赦しない」と言えるお母さんが本当に素敵でした。リンコとトモが抱きしめ合いながら眠るシーンも、3人で編み物をしているシーンも好き。好きなシーンがたくさんありました。
でも、ただ3人で暮らしているだけなのに、どうして赤の他人が邪魔をする必要があるんでしょうかね。おかしいと思っていてもそっとしとけばいいのに…。
小池さんはああいうヤな人を演じるのが上手いですよね(とっても褒めている)もー憎らしくてしょうがなかったです。「普通」って言う前に目の前の息子をちゃんと一人の人として見ろや!と思いました。そして姑息ですよね。性悪ー!根暗ー!←
カイ君の母親もトモの母親もどうしてリンコに対して上から目線なんですかね。母親、女って言うことだけで勝っているとでも思っているのでしょうか。ネグレクトしてる女なのに。料理も作らず、キャラ弁も作らず、髪の毛を結ったこともなく、抱きしめたこともないのに。息子の事をちゃんと見れていない女なのに。人と違う人は傷つけても良いんでしょうか。皆と同じように女性として生まれていればこんなことにはならず、そして女性の身体ではなかったために苦しんでいる人に対してどうしてそんな言葉を放てるのか。理解に苦しみます。
トモちゃんは本当にかわいい子でしたね。ちょっと達観してるところがありましたけど。カイ君に対して結構スバスバ言ってて、でもそれがカイ君にとっては良かったのかなとも思いました。トモちゃんがカイ君に「あなたのお母さんは時々間違う」といった時、なんて気遣いが出来る良い子なんだろうと思いました。
温かくて優しい物語でした。最後が切なくて哀しかったけどオチに救われた気がします。