一○一教室一○一教室
著者:似鳥 鶏
河出書房新社(2016-10-27)
販売元:Amazon.co.jp

カリスマ教育者・松田美昭がつくった全寮制一貫校・私立恭心学園。高い進学実績を誇り、ひきこもりや反抗まで“治る”と話題の学校で、一人の高校生が心臓麻痺で死んだ。健康だったはずの彼がなぜ…?一度も開けられない棺、異様に礼儀正しい生徒たち―。有刺鉄線の生えた、高い壁に囲まれたこの学園で、一体何が起きているのか?青春ミステリで人気の著者が満を持して放つ、爽やかさゼロのダークミステリ!!

いやー恐ろしかったですね。
恭心学園で学ぶ小川や唯香がどうなるのかドキドキして読んでいました。
教育ではないですね。訓練ですよ。縛られて支配されて暴力を受けて。読んでいて本当に腹が立ちました。ただの体罰でした。ここの高校を卒業した人たちはどんな大人になっていったんでしょうね…。悲しい。
ここまでくると宗教ですよね。学校側も親も悪魔にしか思えませんでした。
小川は本当に強い人でしたね。唯香もおじいちゃんがいてよかった。
拓也と沙雪のコンビも良かったですね。コンビというか沙雪が一方的でしたけど。
金尾先生の存在も大きかったです。あんな隔離された空間で、少しでも救いの手がないと本当に人として壊れちゃいますもんね…。
沙雪は裏切ることもあるかもしれないと言いましたけど、金尾先生は最後まで闘っていてかっこよかったです。
本編とは別に松田のインタビューが入っているのですが、そのカラクリが分かった時、何だかなぁと物悲しくなりました。でもきっとそうなるんだろうなと思って…。
それでも変な教育や信仰が少しでもなくなればいいなぁ。今もきっとあるだろうから。
最後が好きです。6年くらいかな、経過して、どっちと結婚したのかなーなんて思いながら読み終えました。

<河出書房新社 2016.10>H28.12.24読了