夜行夜行
著者:森見 登美彦
小学館(2016-10-25)
販売元:Amazon.co.jp

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」

森見さんデビュー10周年なんですね。おめでとうございます。
森見作品は結構読んでいるつもりだったのですが、5冊目でした。全然だ^^;
これから少しずつ既刊の作品も読んでいきたいなー。
10年前に姿を消した長谷川さんの謎。そして10年ぶりに集まった6人が旅先で出会った1枚の絵画の話。どれも少し不思議でぞぞっとするような話。誰かが何かに憑りつかれているような…。
どれもしばらく経ってから笑い話として思い出になったんだろうけど、それでもその時の感情はただただ恐怖ですよね。
そして最終章のどんでん返し。あれは結局どういうことだったんだろう。
10年ぶりの火祭の場で、どこかで世界がねじれてしまったんだろうか…。
世界は変わるのかねじれたまま変わらないのか。
最後まで少しぞぞっとする気持ちになりながら読み終えました。

<小学館 2016.10>H28.11.22読了