最初で最後の1回の観劇、堪能してきました。
剛ちゃんの舞台は「ブエノスアイレス午前零時」以来。1年半ぶりくらいか。そんなに経つんですね。
蜷川さんが演出された舞台を私は一度も観たことがなくて。だから今回とても楽しみにしていました。きっと、蜷川さんもどこかで観てくれていますよね。
ということで独断と偏見の感想です。
まだ公演中ですので、隠しますね。

「ビニールの城」は30年前に上演された作品なんですよね。
何となく難解そうな予感がしたので^^;私は戯曲を読んで臨みました。
読んでよかったです。私は読まないと理解できていなかったと思いました。
剛君の朝顔は可愛かったです。
朝顔が抱える悲しさ切なさ怖さ。そして悦び。表情が見えなくても朝顔の心の闇が伝わってきました。やっぱり凄いなぁ剛君は。
冒頭のたくさんの人形の中から夕顔を捜す朝顔。
人から見たら朝顔は少し狂っているのかもしれない。
人と関わるのが苦手で、だから人形と人以上の関わりを持っていて。
「夕ちゃーーーん!!」という叫びが切なかったですね。
大切な大切な相棒を失って苦しんでいる朝顔。
そしてバーでの出来事。
シリアスなシーンのはずなのに、結構笑えるところもあって面白かったです。
いやー…りえさんの声綺麗。姿ももちろん綺麗。
モモはいつまでも少女のような印象でしたが、りえさんも本当にそんな感じでした。真っ直ぐに朝顔のことが好きで、真っ直ぐすぎて少し歪んでいて。
最初のマスターとの掛け合い、見事でしたねー。
ビニール袋を被って「苦しい…」と言ってマスターが急いで穴を開けるところとかホント面白かった^^
剛ちゃんが腹話術をするシーンで、3体の声を発したのですがどれも違う声。別人だから当たり前だけど当たり前じゃない。凄いなーと思いました。本当に人形が心をもって喋っているようで不気味さも感じました。
最初の剛ちゃんがユラユラしながらの♪昔の名前で出ています〜「たかしっていうんだよ!」っていうシーンは爆笑でしたが^m^
朝顔とモモのシーンも良かったです。まさか2人のシーンであんなに笑えるとは思いませんでした。2人のタイミングが見事でした。
ようやく朝顔に逢えたってんで抱き付くモモが可愛すぎ!いきなり抱き付いてきた女性に対して引きまくってキョドキョドしてる朝顔可愛すぎ!
朝顔が、モモの事をかつて隣に住んでいたサングラスをかけた女の人だと気付いた時の「あ゛〜〜〜〜〜!!!」って言う表情と動き!!あれ最高でした!剛ちゃん可愛いよ!!
そして、この舞台で歌うシーンがあるって私気づきませんでした。
りえさんが歌っていて、綺麗な歌声…とうっとりしていたら、剛君も歌っていて。
聴きなれている剛君の声のはずなのに、違う人の声のような感じもして。あぁ、素敵だったなー。
途中から登場する夕一のおじさんもなかなかいい味出してましたね^m^六平さんですけど。
ちょいちょい小ネタを入れてくるから本当におかしくて。面白かったです。
良々さんとのシーンも良かったなー。
お互いの不幸自慢を言いまくってるのは面白かったけど。朝顔は本当に引っこ抜く系が好きでしたね。なんでも引っこ抜くのね。
モモに受け入れられたくて、愛されたくて、人形と自分を重ねていると分かっていてもモモを愛している夕一と、モモにどんなに愛されていても生身の女性は愛せないと拒む朝顔。
夕一はもっと朝顔を憎んでいいはずなのに、お人よしなのかなー。それとも本当に、夕顔と重なっていたのかな。本当に、いろんな場面で不気味さと不思議さを感じました。
夕一のおじさんがしかけた人形の罠。
戯曲を読んでいたし、その戯曲の中に写真もあったから、水泳帽に水中メガネ姿になることは予想はしていたんですよ・・・。
いやー…やりましたね、剛ちゃん…。可愛かったけど。
モモに昼顔と名付けられた人形を助けるために水槽の中に飛び込んだ朝顔。
昼顔の中に、夕顔の姿を見たのかなぁ。
モモの言伝がちゃんと伝わってよかった。
夕顔は、朝顔の身近にずっと居たんですね。
最後のバーのシーンは切なかったです。
ビニールの城に閉じ込められて、助けてと、苦しいと叫んでいるのに生身の人間は救えないと最後まで拒んだ朝顔。
そして、ビニールの城に居続けることに決めたモモ。
2人の想いは繋がっているようで重ならない。その最後が切なかったです。
周りでは泣いてる人もいました。私は泣けなかったけど^^;
言葉の言い回しも難しいしやっぱり内容は難解で、一字一句聞き逃さないようにしなければと観劇しました。
やっぱり理解するのは難しかったけど、観ることが出来て良かったです。
蜷川さんが演出する舞台を観ることが出来なかったのは残念ですけど…。
でもきっと、どこかで観ていてくれていますよね。
観ることが出来て幸せでした。ありがとうございました。