肉と衣のあいだに神は宿る肉と衣のあいだに神は宿る
著者:松井 雪子
文藝春秋(2015-10-08)
販売元:Amazon.co.jp

山間のかつ丼の名店「情熱とん」の看板娘、美衣がめぐりあう、さまざまな男たち。三十路美女の婚活をゆるやかに描く長編小説。

新刊として出たときから気になっていて、図書館で借りたのですが1回返しちゃったんですよねー。そうしたら王様のブランチで紹介されているじゃないですか。ということで借りて読みました←
悔しい。紹介される前に読みたかった(子どもか)
以前はタイトルに惹かれていただけであらすじを知らなかったのですがとんかつ屋さんの看板娘さんの婚活の話だったんですね。タイトルに納得です。
素敵な物語でした。主人公の美衣の純粋さも素敵でしたし、美衣の事を心から愛しているお父さんにお兄さんの勝美に、姪の麗奈、そしてみちる。愛情がたくさん詰まったとんかつ屋さん。私も近くにあったら行ってみたいです。
美衣は本当に素敵な女性で私が男性だったら付き合いたいくらい←
婚活をしていった中で、またお店で働いていく中で美衣は様々な男性と出会います。
たくさんの出会いを繰り返していく中で、美衣は出会うことに疲れ、そしてただ、好きな人がいるというだけでそれだけで素晴らしい人生ではないかと感じるようにもなります。それでも美衣が婚活を続ける理由。最後に分かりますがその内容がとても気になります。家族の目を気にしないで堂々と言って行動してほしい。どうかどうか、美衣が幸せになれますように。それだけを願います。
最後の方に出てきた日向もそうですが美衣も、自分の幸せよりも人の幸せを大切にする人なんですよね。素敵ですし素晴らしいですけど、もっと自分を労わって可愛がってあげてよとも思います。
読み終えて無性にとんかつが食べたくなりました。そして、あったかくて優しい味のお味噌汁も。
素敵な作品に出会えました。

<文芸春秋 2015.10>H28.6.24読了