モップの精は旅に出るモップの精は旅に出る
著者:近藤 史恵
実業之日本社(2016-04-15)
販売元:Amazon.co.jp

おそうじ上手は謎解き上手――
読めば元気になれる大人気ミステリ〈清掃人探偵・キリコ〉シリーズ第5弾!
キリコは、オフィスや学校、病院に派遣される清掃作業員。
ミニのフレアにハイヒールで軽快に掃除をしながら、事件を解決する名探偵だ。
「大丈夫、世の中はお掃除と一緒だよ。汚れたらきれいにすればいい。
また、汚れちゃうかもしれないけど、また、きれいにすればいい」――
そう言ってこれまで鮮やかに謎を解いてきたキリコだが、今回の事件はかなり厄介なようで……
ハートウォーミングな連作短編ミステリ。

キリコちゃんシリーズ!!また出てくれて嬉しいです!でも今回が最後だそうで…。
寂しいですねぇ…。キリコちゃんも大介も大好きだったので…。
そして今回は色々重たいお話が多かったです。それぞれ感想をば。
第1話 「深夜の歌姫」
いきなり自分宛てに婚姻届が届いたらびっくりしますよね。恐怖に感じちゃうかも。
何となくどっちかが犯人だろうなとは思いましたけど、それにしても1番じゃなきゃいけないって思ってしまうのは負けず嫌いともまた違って怖いなと思いました。
自分の世界の中では主人公でありたいけど、世間の中での主人公じゃなくても良いなと思いました^^;
にしても大介のキリコの夫婦喧嘩の内容可愛すぎでしょ。
第2話 「先生のお気に入り」
ハンソンがチャラいわりに考え方はまっとうなのが面白くなくてイラッとしました←
でもこういう人って日本人女性はちょっと甘い言葉をかければころりと行くんだくらいに思ってると思うなー。
大人になっても、そういう子供のようなことをする人っていますよね。私もつい最近まで似たような目に遭っていたのでこの話は読んでいて辛かったです。ホントみっともないと私も思います。あの人がどうか元気になってちゃんと生活できるようになります様に。
第3話 「重なり合う輪」
これはひどい。本当にひどい…。私もすぐに気付きましたよ。男の人って本当に鈍感ですね。あの人がしたことは許されることではないけど、あの時から時間が止まったままという言葉がとても重たく感じました。どうかどうか前を向いて進むことが出来ます様に。
第4話 「ラストケース」
キリコと大介の話。2人は結婚して5年も経つんですね。
大介の家族の事は何となく知っていましたけど、キリコちゃんの家族も色々あったんですね。キリコちゃんは悪くないと思います。相手は陰険にもほどがありますね。その陰険な行動に対して動揺を全くしない大介がかっこよかったです。キリコちゃんの事が本当に大好きなんだなぁということが伝わってきて嬉しかったです。大介の家族も、キリコの家族も2人の事を悪く言う人は近づかないでほしいとすら思います。大輔の叔母さんの言葉、酷すぎますね。キリコがその場にいない(と思っている)にしても言って良いことと悪いことがあります。
終わっちゃうの本当に寂しいです。でも最後はスカッとしました。2人の笑顔が見えるようでした。物語は終わってしまっても、キリコちゃんはきっとどこかで鼻歌なんて歌いながら、掃除のお仕事をしているのかななんて思ったら気持ちも明るくなります。またいつかどこかで会えます様に。

<実業之日本社 2016.4>H28.5.19読了