ピロウボーイとうずくまる女のいる風景ピロウボーイとうずくまる女のいる風景
著者:森 晶麿
講談社(2016-02-17)
販売元:Amazon.co.jp

貧困のどん底からキムラに救われた絢野クチルは、政治家を目指して大学に通い、夜はピロウボーイとして女たちと関係をもつ。
「シェイクスピアを読む女」「バッハしか愛せない女」「ドヌーヴに似た女」「リキテンスタインを待つ女」
女たちはみな問題を抱えているが、クチルとの関わりのなかで、立ち直っていく。一方、クチルの部屋には、謎の同級生知紅が押しかけて居候となり、クチルの帰りを待っている――。

ピロウボーイという名前から仕事の予想は付いたのですが予想通りでしたね^^;
石田衣良さんの「娼年」を思い出しましたが。でもこちらはミステリ要素がありましたね。
森さんの作品はいつもテーマがぶっ飛んでいるものが多くて^^;でも、その世界観を面白いと思わせるのだから流石だなといつも思います。
ピロウボーイであるクチルの相手はいつも一筋縄ではいかない相手。また雇い主のキムラが真相を隠しているからいつも厄介ごとに巻き込まれる可哀相な少年←
キムラもクチルが将来政治家になりたいと思っていることが分かっているからか依頼人も上手くいけば利用できる人ばかり。実際関わってからクチルを援助してくれる人が多いです。
でも、クチルはもう顔を知られすぎちゃってるんじゃないかぁ。政治家になったとしても過去を色々暴露されて大変なことになるような気がする…。まあ、クチルの場合はそれも武器にしそうだけど。
男だか女だかわからない知紅との関係、結構好きでした。謎めいた人だけど正体が分かると諸々納得。とても聡明でだからこそ縛られているのが可哀想だとも思いました。自分の知識でクチルに助言しているところとか好きです。
2人の関係はこれからも続いていくんだろうな。でもそれは愛という言葉では足りないし、愛とも違う気がする。
あ、そうそう。ホテル・モーリスが出てきましたね。物語のリンクはやはり嬉しいです。
コンシェルジュが登場しましたし^^

<講談社 2016.2>H28.3.23読了