人魚の眠る家人魚の眠る家
著者:東野 圭吾
幻冬舎(2015-11-18)
販売元:Amazon.co.jp

娘の小学校受験が終わったら離婚する。そう約束した仮面夫婦の二人。彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。娘がプールで溺れた―。病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか―。

東野さん30周年記念作品だそうですね。ついこの間も何かの記念作品があったような…。
出版社で変わりばんこでお祝いしているのかな。
帯の内容から重たい作品だろうなと思っていましたがやはりそうでしたね…でも、ただ重いだけではなくて。臓器提供や臓器移植の事は細かく書かれていて勉強になりました。
私は結婚すらしていないのでもしも自分の子供だったら…という感覚は全く想像できないのだけど、でもどうにか生きていてほしいという気持ちはわかります。
ただ、薫子の諸々の行動は賛成できなかったかなぁ。
生人がとても可哀想でした。小学生になった時のいじめは本当に可哀相だったなぁ。
それでも薫子がやったことを頭から否定することは出来ません。
やはりお医者さんが言うように、正解はないと思うので…。
面白かったけど、何となくしこりが残るような作品でした。
プロローグとエピローグで登場した少年に救われたかな。ああいう繋がりになるとは予想外でした。
そうそう。余談ですが、物語の中で「フランケンシュタインを作るのか」というセリフがあったのですが、フランケンシュタインは怪物を作った博士の名前であって怪物に名前はないんですよねー。

<幻冬舎 2015.11>H28.3.17読了