西洋菓子店プティ・フール西洋菓子店プティ・フール
著者:千早 茜
文藝春秋(2016-02-12)
販売元:Amazon.co.jp

女を昂奮させない菓子は菓子じゃない
スイーツは誰かの心を不意につかんで新しい場所へと羽ばたかせるスイッチ。下町の洋菓子店を舞台に繰り広げられる鮮烈な六つの物語。

商店街にある昔ながらの洋菓子店。読んでいて行きたくなりました。
そこで働く亜樹と亜樹の祖父母。
私もそこへ行ったら買うのは昔ながらのシュークリームな気がするなぁ。
この洋菓子店に関わる人たちが出てくる連作短編集でしたが、どの人に対してももどかしさを感じました。
スミとスミの事が好きな女の子は時間の問題かなぁと思いましたけどね。
摂食障害の女性は読んでいて辛かったなぁ。亜樹はこの女性が大量のシュークリームを買った後にどうするのか分かっていたんでしょうね。
そして亜樹と祐介。どっちももどかしいんですけど、祐介に言った言葉、私はそっくりそのまま亜樹に返すわ!と思いました。プロポーズを受けているのに先延ばしにしているのは一体誰なんだ?職人肌というにはあまりに幼稚で祐介に甘えていると思いました。
祐介が甘えたいのにそれをはねのけた行動は私は許せなかったですねぇ。
でもお祖父ちゃんにはすべてお見通しだったみたいでしたが。そしてお祖母ちゃんにも。お祖母ちゃんてばやりますね。
まだまだ心配な2人でしたけど最後は良かったです。
新装開店した後もどうか繁盛しますように。そう思って読み終えました。

<文芸春秋 2016.2>H28.3.4読了