ブランコ乗りのサン=テグジュペリ (角川文庫)
著者:紅玉 いづき
KADOKAWA/角川書店(2015-12-25)
販売元:Amazon.co.jp
オススメ!
首都を襲った天災から長い時が過ぎた。震災復興の名目で湾岸地域へ誘致された大規模なカジノ特区には、客寄せに作られた少女サーカス団がある。そこで古き文学者の名を戴き、花形の演目を任されるのは、曲芸学校をトップで卒業した精鋭のみ。ところがある日、8代目サン=テグジュペリこと片岡涙海が練習中に空中ブランコから落下。身代わりで舞台に立ったのは、天才の姉とは姿だけがそっくりの、双子の妹・愛涙で…。
3年前に出た作品です。でもその時は単行本を買うのをとても悩んでいて図書館で入らないかなぁと思っていたのですが入らず^^;文庫本が出たことを知り購入しました。
タイトルに凄く惹かれたのですが、どういう意味なのかなとずっと思っていました。
読んでみたらなるほどと思いました。ブランコ乗りの名称だったんですね。
涙海が事故に遭い、ブランコ乗りの座を守るため、妹の愛涙にすべてを託す。
始めは愛涙の苦悩が描かれているのですが、視点は猛獣使いのカフカ、歌姫アンデルセン、そして涙海へと変わっていきます。
少女サーカス団に入団したきっかけ、そしてその舞台に立つまでの過程、そして今。
スポットライトを浴びるのってそこまで上り詰めるのも、そこを維持するのも大変なんだなぁ…と思ったりして。
愛涙とアンソニーとの会話が初めは怖かったけど、好きだったなぁ。最後の決断はとてもかっこよくて可愛くて純粋な愛なんだなぁと思いました。
そしてそれぞれの少女たちの決断。
ラストシーンがとても神々しく見えました。
涙海だったら大丈夫。アンデルセンも、カフカもみんな守ってくれる。スポットライトを浴び続け、サン=テグジュペリであり続けられる。そう思えたラストでした。
サン=テグジュペリの「夜間飛行」を読んでみたいと思いました。
〈角川書店 2015.12〉H28.2.8読了
著者:紅玉 いづき
KADOKAWA/角川書店(2015-12-25)
販売元:Amazon.co.jp
オススメ!
首都を襲った天災から長い時が過ぎた。震災復興の名目で湾岸地域へ誘致された大規模なカジノ特区には、客寄せに作られた少女サーカス団がある。そこで古き文学者の名を戴き、花形の演目を任されるのは、曲芸学校をトップで卒業した精鋭のみ。ところがある日、8代目サン=テグジュペリこと片岡涙海が練習中に空中ブランコから落下。身代わりで舞台に立ったのは、天才の姉とは姿だけがそっくりの、双子の妹・愛涙で…。
3年前に出た作品です。でもその時は単行本を買うのをとても悩んでいて図書館で入らないかなぁと思っていたのですが入らず^^;文庫本が出たことを知り購入しました。
タイトルに凄く惹かれたのですが、どういう意味なのかなとずっと思っていました。
読んでみたらなるほどと思いました。ブランコ乗りの名称だったんですね。
涙海が事故に遭い、ブランコ乗りの座を守るため、妹の愛涙にすべてを託す。
始めは愛涙の苦悩が描かれているのですが、視点は猛獣使いのカフカ、歌姫アンデルセン、そして涙海へと変わっていきます。
少女サーカス団に入団したきっかけ、そしてその舞台に立つまでの過程、そして今。
スポットライトを浴びるのってそこまで上り詰めるのも、そこを維持するのも大変なんだなぁ…と思ったりして。
愛涙とアンソニーとの会話が初めは怖かったけど、好きだったなぁ。最後の決断はとてもかっこよくて可愛くて純粋な愛なんだなぁと思いました。
そしてそれぞれの少女たちの決断。
ラストシーンがとても神々しく見えました。
涙海だったら大丈夫。アンデルセンも、カフカもみんな守ってくれる。スポットライトを浴び続け、サン=テグジュペリであり続けられる。そう思えたラストでした。
サン=テグジュペリの「夜間飛行」を読んでみたいと思いました。
〈角川書店 2015.12〉H28.2.8読了
〈少女〉達の、美しく繊細で、不完全でいて力強い、サーカスの演技への矜持に、胸を打たれましたね。
アンデルセンの頭の良さ、美しさ、誇り高さは、本当に素晴らしかったです。
涙海の決断には驚きましたが、きっと彼女らしい、素晴らしい演技を披露してくれるのだろう、という輝かしい未来が見えましたね。
夢中になって、読みました!