NASAより宇宙に近い町工場NASAより宇宙に近い町工場
著者:植松 努
ディスカヴァー・トゥエンティワン(2009-11-05)
販売元:Amazon.co.jp

「どうせ無理…」廃絶宣言!
すべて自腹で宇宙ロケット開発に取り組む北海道の小さな町工場から、自分も社会もよくしたいと思うすべての人への提言。
誰もが工夫をして「よりよく」を目指すようになれば、社会はよくなる!
本業の町工場でもクリエイティブな経営方針で売上を伸ばしつつ、宇宙ロケット開発の夢を追い続ける著者が、自らの体験から
「夢をかなえるには?」
「仕事を楽しむには?」
「明るい未来をつくるには?」
を熱く語る。
誰もが一度は憧れる宇宙ですが、簡単に行くことができないので、あきらめてしまいがちです。
多くの人があきらめてしまう夢を「そんなことないよ! 」と言って実現できれば、
あきらめない人がひとりでも増えるのではないかと僕は思っています。
「北海道の田舎で宇宙開発をやってるんだから、これくらいのことはできるんじゃないの」と思う人が増えてくれたら、世の中が少しよくなるんじゃないかと思うんです。

最近とある本を読んで、植松さんの事を知りました。
でもこの本の表紙を見て、この本が出た当初気になっていた本だったということを思い出しました。
読むまでに6年かかってしまいましたけど、読んでよかったです。
著者さんは北海道赤平市に工場を持つ会社の専務さんです。リサイクルに使うパワーショベルに付けるマグネットを作っている会社です。
でも、その仕事に並行してロケットを作る仕事もしています。日本ではそこまで知られていませんが、海外では結構有名なようです。
小さな町工場でロケットを作っているというのももちろん凄いのですが、私は植松さんの生き方、考え方にとても惹かれてこの本を読みました。
植松さんは小さいときから飛行機やロケットを作ることが好きで、将来それに携わる仕事がしたいと思っていました。でも、宇宙となるとその業種に関わる人は少なく狭き門で、頭のよくないお前じゃ無理だと周りに散々言われてきたそうです。
著者さんがこの世から無くしたいと思っている言葉「どうせ無理」私もこんな後ろ向きな言葉大嫌いです。でも、結構みんな使っていますよね。若くても口を開けば愚痴ばかりの人だっています。そんなことばっかり言ってないで行動に移せばいいのにと私ですら思ったことがあります。
今の子供は小さい頃から学歴社会で、頭が良くないからそれはなれない、頭が悪くなったら将来困るから勉強しなさいとやりたくないことを強いられその結果何をやりたいのか分からない人が多いとおっしゃっていました。
確かにそうだなと思います。
以前テレビ番組で、日野原先生と篠田桃紅さんの対談(お二人とも100歳を超えています)を見たのですが、街頭インタビューで20代の悩みで1番多かったのが「将来何をしたらいいのか目標がない」というものでした。その回答に私は驚き、お二人もまた「将来に期待するものを何も持てなくなってしまったのは私たち先に生きる者の責任だ」とおっしゃっていたのがとても印象的で。
今の学歴社会が、やりたいことを見いだせなくさせているのも要因の一つなのかなと思いました。勿論そればかりではないということもあるとは思いますが。
著者さんは頭が良くないと無理、そんな夢みたいなことを考えてないで現実を見ろなどと言われ続けていました。でも、諦めませんでした。その諦めない姿勢が素晴らしいと感じ、また、私も自分がやりたいことに対して諦める必要なんかないと思えました。
特に好きだった言葉があります。
p107「夢とは、大好きなこと、やってみたいことです。そして仕事とは、社会や人のために役に立つことです。」
夢とは簡単に手に入るものではなくて、挑戦してみたいこと。一筋縄ではいかないこと。
確かに私は今までそこまでの冒険したことはなかったなぁと思いました。
私も今、夢があります。
それは本当に狭き門だけど、でも大好きなことで、やってみたいことで、そしてもしかしたら社会や人のために役に立つことだと思っています。そう信じています。
くじけそうになる時もあるけど、この本を読んで本当にちゃんと正しい努力をして夢に向かって頑張って行こうと思えました。
この作品に出会えてよかったです。

<ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009.11>H28.1.25読了