タスキメシタスキメシ
著者:額賀 澪
小学館(2015-11-25)
販売元:Amazon.co.jp

陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた眞家早馬(まいえそうま・高3)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟春馬、陸上部部長の親友助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。
高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛・・・。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。
読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。

「すずらん本屋堂」で紹介されていた本です。ご本人も登場されていました。
新人賞を2作同時に受賞しデビューした凄い方なのですが受賞後最初の作品だそうです。
大変だったけど駅伝シーズン前に出そうと頑張ったそうです。
しかも額賀さん、25歳なのに「今、桜美林大学で監督をされているステファン・マヤカ選手が現役の頃から駅伝を見ていて」って一体何歳から見てるんですか!?
負けた…←
まあそんな発言聞いちゃったら読まないわけにはいかないですよね。
(それにゲストで来ていた山田さんが「今は駅伝は兄弟が熱いですよね〜設楽兄弟とか村山兄弟とか服部兄弟とか」っておっしゃって尚更興奮した)
主人公は2人の兄弟、早馬と春馬。
駅伝で兄弟で早馬と春馬なんて某大学の某兄弟を思い出しちゃいますけど^^;
でも主な舞台は高校時代。
兄早馬は怪我をしたことで陸上を辞めようとしていて、弟春馬は兄の帰りを待っている。
早馬の辞めたい気持ちも分かるし春馬の戻って来てほしい気持ちも分かるし…凄くもどかしかったです。
そんな早馬が都を通して料理と出会い、偏食の春馬に何とかして野菜を食べさせたいと奮闘する姿は確かに生き生きして見えたような気がしました。
陸上を辞めた後の目標もちゃんと出来て、そういう流れで行くのかなーと思ったら話の展開は思わぬ方向へ向かいました。
去る者、追う者、このタイトルはぴったりだなと思いました。
早馬と春馬の物語ではあるのですが、稔や都や助川や藤宮と言った周りの人たちも素敵です。藤宮との絡みをもっと読みたかったなー。
早馬が自分で選んだ道、それは決して楽な道ではなかったと思うけど、でもきっと幸せだったんだろうなと思います。
物語の幕間のように出てくる2区を走る春馬と助川と藤宮の鼓動が聞こえてくるようで、こちらも興奮しました。
この2区の早馬が登場するシーンは(多少ネタバレになるので伏せますが)数年前の東海大の2人の選手のシーンを思い出して何だか泣きそうになっちゃいました。きっと額賀さんも思い浮かべて書いたはず!(分かる人には盛大なネタバレ)
この作品を読んで、ますます箱根駅伝が楽しみになりました。
間に合ってよかったー。
そういえば余談ですけど、藤澤大学って駒大がモデルかな?藤色のユニフォームみたいだし。英和学院大学は名前は中央学院大っぽいけどえんじ色ってことは早稲田かな?日本農業大学は東京農業大学か青学か…なんてことを想像するのも楽しかったです。

<小学館 2015.11>H27.12.28読了