火車 (新潮文庫)火車 (新潮文庫)
著者:宮部 みゆき
新潮社(1998-01-30)
販売元:Amazon.co.jp

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

先日見たすずらん本屋堂で宮部さん特集が組まれていまして。
書店員さんが選ぶ宮部作品で堂々第1位だったのがこの作品でした。
ベスト10はだいたい読んでいたんですけど、1位を読んでいないなんて!!とショックを受けすぐに予約しました^^;
ちなみに私が好きな作品は「レベル7」です。割と上位だったな←何位だったかは忘れた。
ということで今作。
舞台は平成2年なので25年前。四半世紀前ですかー。
携帯電話やパソコンインターネットなどはもちろん出てこなかったんですけどでもそんなに昔という気がしませんでした。
今回のテーマは多重債務問題。
自分で言うのもなんですけど、私は結構お金にはうるさいので多重債務というのは無縁の世界で^^;
でもクレジットカードの恐ろしさについては中学校だったかなぁ。授業でやりました。多重債務も勉強しました。だから怖いなぁとは思っていたんですけど…。
関根彰子とそのあとに登場する方もそうですけど、多重債務の恐ろしさがリアルに伝わってくる本でした。ホント、降ってわいてくるものではないんですからね…ちゃんと弁えてないと恐ろしいものなんだということを再確認しました。
本間刑事は有能でしたねぇ。休職中とはいえ凄い行動力。そして執拗に真実に迫ろうとする雰囲気。その粘り強さが「砂の器」の今西刑事を思い出しました。
被害者も加害者もただ幸せになりたかっただけなのにね…。
そう思うとやりきれなかったです。
最後はただただアッパレでした。

<双葉社 1992.7
 新潮社 1998.1> H27.11.12読了