
著者:伊吹 有喜
角川春樹事務所(2015-07-11)
販売元:Amazon.co.jp
新宿三丁目の交差点近く――かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテル、ハンバーグサンドなど魅力的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔がかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン!
伊吹さんの作品は暖かくて好きです。
今回もやっぱり元気づけられる素敵な作品でした。まず少し長めのプロローグから良かったです。人生の分岐点に自分が何を選ぼうと後悔しないようなきっかけを与えてくれるって素敵です。
この物語の主な主人公の宇藤君。
このままでいいのかと色々うじうじしてましたけど、商店街の人たちのおせっかいがまたよくて徐々に馴染んでいく感じも良かったです。
私はあそこまで人と人との距離が近いところで生活はしたことがないんですけど、でも私はかまってちゃんだから人と関われるのが嬉しくて楽しいなぁと思う気がします。
江口くんは他人とは思えず^^;私はそこまで熱を上げていないけどそこまで尽くしていた人のしたこと、そりゃ呆然となるわ…。江口君が次なる生きがいを見つけてくれたら嬉しいなと思いました。まあ、私が言う権利は今のところないんですけど^^;
最後のお話、梵さんと綺里花の話が凄く好きでした。オチにはびっくりしたけどそんなことはこの二人の間では何の問題でもないのだろうなと思います。最後がとても綺麗で眩しくて。読んでいて涙が出てきました。一人で生きていると思っていても周りはちゃんと見ていてくれているんですよね。2人とも愛おしかったです。
読んでよかった。元気をもらいました。
<角川春樹事務所 2015.7>H27.10.21読了
p191「何かを得たら何かを失う。でも失ったことで、また何かが得られるかも。夜が来たら光を失うけど、光を失うから新しい朝が来る」