中野のお父さん中野のお父さん
著者:北村 薫
文藝春秋(2015-09-12)
販売元:Amazon.co.jp

体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》!
「応募してませんよ、わたしは」新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車)
「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」ある大物作家に宛てた女性作家の手紙には愛の告白が?(幻の追伸)
「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」定期購読者の話を聞いているうちに思いもよらない事態に?(茶の痕跡)
ほか、大手出版社の文宝出版を舞台に繰り広げられる8つのミステリーの推理の結末やいかに……。〈円紫さんと私〉〈覆面探偵〉〈ベッキーさん〉シリーズほか、多くのファンを唸らせてきた名手による、新たな名探偵コンビが誕生。

流石北村さん、日常ミステリの名手ですね〜。どの作品も面白かったです。
1番最初の「夢の風車」はあらすじにも書かれていて、いったいどういう事なんだろうと思っていたので、謎が解けたときになるほど!と強く思いました。大物作家に宛てた女性作家の手紙のカラクリも面白かったですねー。
人が死なないミステリが主でしたけど、1作だけありましたねー。「茶の痕跡」この事件の末路はえげつないというか人間の黒い部分が透けて見えると言いますか…何だか似たような作品をよく読んでいるような…←
北村さんの作品は日常ミステリも面白いのですが人と人との会話も面白くて好きです。美希とお父さんの会話も面白いけど、美希と同僚や友人や上司との会話もなかなかユーモアがあって読んでいて楽しいです。
この作品もシリーズ化したら面白そうだなー。
そういえば全然関係ないんですけど、作品の中で双子が登場するお話があって。その双子は女の子だし中学生なのに脈略もなく「箱根駅伝でも双子が活躍してる。」っていう一文がさらっと書かれているところがありまして。
読んでいて「……は!?」となりました←
これ、箱根駅伝の実情分かってないと分からないし、双子がたくさん活躍してたの去年だから今読んでも学生で双子ほとんどいないし!なんて一人ツッコミを入れたりしてました^m^
でもありがとう。北村さん←
面白かったです。円紫師匠と私シリーズも頑張って読み進めていきます。こちらもシリーズ化するといいな。お父さんと娘の会話がほのぼのしていて好きです。

<文芸春秋 2015.9>H27.10.10読了