あやかし飴屋の神隠し<あやかし飴屋の神隠し> (メディアワークス文庫)あやかし飴屋の神隠し<あやかし飴屋の神隠し> (メディアワークス文庫)
著者:紅玉 いづき
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス(2014-11-20)
販売元:Amazon.co.jp

皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも“視えないものはない”という。妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で“つくれないものはない”という―。二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。

久しぶりに紅玉さんの作品。今回も内容がそそられますね^^
男性が主人公なのは珍しいなと思ったら、やはり初だったんですね。
妖が絡む不思議なお話でしたが、叶義と牡丹のキャラクターがちょっと薄かったかな…なんて。薄いというか謎な部分が多すぎたから最初の方にもうちょっと出していただいた方が入って行けたかななんて思いました。
「赤錆」美容師の成深は彼にプロポーズをされたが受け入れることが出来なかった。美容師は天職だと思っており、手荒れも職業病だと思っていたが左手の薬指に痣のようなものが出来ていた。このお話、1番好きでした。成深という女性もとても魅力的でしたし、彼氏の篤志もとても素敵でした。
「運種」道理という新しいキャラクターが登場して何者?となり^^;蜜香という女の子が登場。運がなさすぎて、お賽銭じゃなくてお菓子を入れるっていうのがどうなん?と思いましたけど、ダンス大会での一幕はちょっとスカッとしました。
「醜美」牡丹のかつてのパトロンが白璧神社へやってくる。その女性清子は牡丹を殺そうとしていた。ここで牡丹と叶義との出会いが書かれています。
「狐繰」叶義は20年ぶりに自分が神隠しにあった神社へやってきた。そこで子供の頃に出会った狐繰と再会する。
どれも面白かったんですけど、多分叶義と牡丹の過去、叶儀の因縁の相手についてが全部1冊に収められてしまっているから入り込むまでに至らなかったのかなぁと思ったり…
なんて辛口に書いちゃいましたけど面白かったです。この2人が妖と関わる物語をもっと読みたいと思います。

<アスキー・メディアワークス 2014.7>H27.7.23読了