火花火花
著者:又吉 直樹
文藝春秋(2015-03-11)
販売元:Amazon.co.jp

お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。

今超話題作!ですよね。便乗して読みました。
図書館で借りたんですけど、尋常じゃない予約数…割と運よく早めに届きました。
読みたきゃ買えよと言われそうですが、私純文学のジャンルはあまり相性が良くないもので…^^;なので不安もあったため借りましたはい。
感想ですが…。面白かった!って簡単に言える作品じゃないなと思いました。
最初はどういう展開になるのか読めなくて面白さが伝わらなかったりしたのですが、それでも全体を通して私は良かったかなと思います。
以前エッセイを読んでいたこともあると思いますが、私又吉さんが書く文章が好きだなと思いました。文章の相性が良かったみたいです。
冒頭の神谷と徳永の関係はめちゃくちゃだなと思ったのですが、それでもだんだんお笑いとは何かということを2人は真剣に考えていると感じてきました。
神谷は破天荒でしょうもない奴だと思いましたが、ちゃんと軸となるものを持ってるんだなと思いました。徳永が神谷を慕っているのが分かりました。
終盤の徳永の身に起きたあれこれに関してはうるっとしました。
それと同時に、又吉さんのお笑いに対する愛情を感じた気がしました。
でも歳を重ねてきた神谷の姿はちょっと切なかったですね。
あの終わり方は、良かったのか悪かったのか…どうなんだろ^^;
以前ぼくらの時代で西さんと中村さんと又吉さんと3人が対談していた時の放送が凄く好きで、この小説の話もしていたのですが、西さんがその時に「この本を書いた又吉さんは純粋に本を読むことが好きで、たくさん今まで本を読んできた人なんだなと思った」ということをおっしゃっていて。
読んでいて私も本当にそう感じました。
上手く表現できないんですけど、言葉の一つ一つに小説への愛情を感じたんです。ひいき目でしょうか^^;
お話の内容的には好きっていう感じでもないんですけど←酷い
でも読んでよかったです。又吉さんが書かれる小説をもっと読みたいと思いました。

〈文芸春秋 2015.3〉H27.6.1読了