フィッターXの異常な愛情フィッターXの異常な愛情
著者:蛭田 亜紗子
小学館(2015-04-01)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
広告代理店に勤める32歳の國枝颯子は、うっかりノーブラで出勤したある日、慌てて駆け込んだランジェリーショップ「Toujours Ensemble(トゥージュール・アンサンブル)」で男性のフィッター・伊佐治耀に出会う。フィッティングを通して、伊佐治からいい加減な生活習慣や生き方を指摘された颯子は、自分を見つめ直すようになる。
自分の”女らしさ”を否定して生きてきた後輩の百田馨、旬を過ぎたスキャンダル女優の本城夕妃、女装の趣味があるクライアントの大狼社長、出産後のセックスレスに悩む同期の美鈴・・・颯子をとりまく人々も、伊佐治のランジェリーの魔法によって少しずつ変わり始めて――!?
一歩前に踏み出せずにいる女子たちに贈る、前代未聞のランジェリー・ラブコメディ!!

だいぶ前にすずらん本屋堂だと思うのですがタイトルを見て気になっていた本でした。初読み作家さんです。
読んでよかったです。ホント、読んでよかった。
自分に合った下着を選ぶことで自分の生活習慣や体と向き合い、改善させて綺麗に見えるように努力する。
明らかに颯子がみるみる綺麗になっていくのが分かりました。
最後はとても魅力的な女性になっていて。
だから恋愛部分に来た時はお!と思ったのですが、私、すぐにタメ口になる男性って独占欲強そうで嫌だなーと思って最初から嫌悪感を抱いて読んでいたら^m^案の定な感じで。良かった。颯子が我慢して先へ進まなくて。
そしてその後の意外な展開。前向きになって強くなって魅力的になった颯子の身に起きた出来事。私は経験したことがないから想像でしかないけど、女性にとっては本当にショックなものだろうなと思う。それでもちゃんと乗り越えた颯子は強いと思うし、更に美しく、魅力的になったと思います。
伊佐治の言葉を読んで涙が出そうになりながら、でも笑顔にもなれて、こちらも幸せになれました。
私も颯子と同世代で良い大人の年齢になってきたし、ちゃんと自分のサイズを測って今の自分の心身に合った下着を身に付けたいなと思いました。背筋を伸ばして凛とした女性になりたいです。

女による女のためのR‐18文学賞出身の作家さんは私は相性が良いようで今まではずれがありません。
蛭田さんの作品を他にも読んでみたいと思いました。
余談ですが小説の中で「ここの地域は披露宴が会費制なので1万5千円払えばいい」というくだりがあって、この著者さんは北海道出身では?と思ったらやっぱり北海道だったのでちょっと嬉しくなりました^^

〈小学館 2015.4〉H27.5.30読了