コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状 (ピュアフル文庫 む 1-2)コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状 (ピュアフル文庫 む 1-2)
著者:村山 早紀
ジャイブ(2009-07-10)
販売元:Amazon.co.jp

大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。ミステリアスな店長が笑顔で迎えるのは、大好きな友だちに会いたいと願う10歳のさゆき、あるきっかけからひきこもりになってしまった17歳の真衣、学生時代の恋をふと思い出した作家の薫子…そこで彼女たちが見つけるものとは?ほのかに懐かしくて限りなくあたたかい4編を収録したシリーズ第2弾、文庫書き下ろしで登場。

またコンビニたそがれ堂へ行きたくて、すぐに2冊目を借りました。
全部読み終えたら揃えて買っちゃおうかなと目論見中です。
前から気になっていたのに、どうして読まなかったんだろうとただただ後悔しています。
今回も素敵な物語でした。ではそれぞれ感想を。
「雪うさぎの旅」可愛らしいお話でしたねぇ。さゆきの不安な気持ちもよく分かりますし、その不安を聞いていた雪うさぎと雪だるまたちの気持ちも伝わってきました。雪うさぎたちの旅も切なくてでも温かかったです。さゆきが幸せそうで良かったです。
「人魚姫」このお話を読んで、私仕事帰りの電車の中でボロボロ泣いて読んでました。すんごく怪しい人でした。でも、涙が止まりませんでした。秋姫はとても強い子ですね。真衣が心の支えになっていたことがよく分かります。でも強いだけじゃなくてとても優しい人でした。秋姫が真衣に書ける言葉の数々が私の胸にもグサグサ突き刺さって響いて、だから泣けてきたんだと思います。私事ですが、大学生の時に大事な大切な友人を亡くしました。その友人は秋姫のような強い子という印象ではありませんがとてもとても優しい人でした。私が悩んでいるときはいつもちゃんと話を聞いてくれて、励ましてくれて、優しい言葉をかけてくれました。社会人になっていつも辛くて死にたいなんて思ったこともあって、そんな時、私はいつも友人の事を想い出していました。生きたくても生きられなかった人もいるのに、そんなことを考えてはダメだと自分を奮い立たせていました。と、同時にいつも辛い気持ちの時に思い出してごめんねとも感じていて。この本を読んで今もそんな状況で、だめだなぁ私と思って。秋姫が真衣にかける言葉の数々が、私に言ってくれているような気がして。もう涙腺が崩壊しました。私も頑張る。強く生きると思わせてくれました。私のお友達の事を、今度は幸せだなって思っているときにちゃんと思い出したいなと思いました。
「魔法の振り子」このお話も切なくてでも凄く凄く温かい物語でした。薫子は10年間、待っていたけどでも気づいていたんですよね。でも、その想いと決別することが出来なかった。でも大切な人は、ずっとそばにいてくれたんですよね。
クリスマスのシーンは、またうるうるしながら読んでいました。ホテル側の皆さんもとても素敵でした。
「エンディング〜ねここや、ねここ」少しテイストは違いましたが、でも人を大事に大事に思っていることは同じ。ねここの生きる道はとても苦しくて辛いのだろうけど、でも現世でようやくねここはささやかな幸せを得ることが出来たのかな。

〈ポプラ社 2010.1〉H27.5.28読了
P.141「命を大事にして、元気に、楽しく生きてね」
P.142「あたしは、幸せに生きる。元気に、強く生きる。きっと人生の旅を楽しんでみせる」
P.144「高みをめざす。あたしは強くなる。逃げない。そして、幸せになる。幸せな人生を楽しんで生きる」