過ぎ去りし王国の城過ぎ去りし王国の城
著者:宮部 みゆき
KADOKAWA/角川書店(2015-04-24)
販売元:Amazon.co.jp

居場所なんか、どこにもなかった――
気まぐれな悪意と暴力、蔑みと無関心が、いたいけな魂を凍りつかせる。 ネグレクト、スクールカースト、孤独や失意・・・・・・ふるえる心が共振するとき、かつて誰も見たことのない世界が立ち現れる――。
早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことから中世ヨーロッパの古城のデッサンを拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。友だちの少ない真は、 同じくハブられ女子で美術部員の珠美にアバターを依頼、ともに冒険するうち、探索仲間のパクさんと出会い、塔の中にひとりの少女が閉じ込められていることを発見する。それが十年前のとある失踪事件に関連していることを知った三人は……。

内容を全く知らないで読んだのですがなるほどこういう話でしたか。
雰囲気的には宮部さんの「悲嘆の門」や「ブレイブストーリー」みたいな感じですかね。
ゲーマーな宮部さんならではな作品だと思います。私はこういう作品大丈夫です^^
リアルな世界は不穏に満ちていて、読んでいて悲しくなりました。だから、閉じこもりたい気持ちは痛いほど伝わってきました。
タマちゃんの想いも絵の作者の想いも。
私はここまで酷いのは経験したことがないから、分かるなんて言ったらお前に何が分かる!ってなっちゃうと思うけど…。
ラストがとても好きでした。ありえないかもしれないけど、こうなっていてほしいと思うから、それでよかったと思いました。
読んでないと意味不明ですね。
にしても読んでいる間ずっと「ずっとお城で暮らしてる」を思い浮かべていました。
最初に一部抜粋されていますよね。
こちらの作品もなかなか狂気に満ちた面白い作品ですので是非←

〈角川書店 2015.4〉H27.5.16読了