この部屋で君と (新潮文庫)この部屋で君と (新潮文庫)
著者:朝井 リョウ
新潮社(2014-08-28)
販売元:Amazon.co.jp

誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。

今回は既読の作家さんが多かったです。初読みは徳永さんだけでした。そして好きな作家さんばかりだったので本当に読んでいて楽しかったです。
最初に間取りが書かれてるのも何だかかわいらしい。では順番に感想を。
「それでは二人組を作ってください」朝井リョウ
いやー…痛かったな^^;でも、この主人公の気持ちも分かる。小学校の時の2人1組って私も大嫌いだった。それでも最後の発言はどうなん?
「隣の空も青い」飛鳥井千砂
このお話好きだったなぁ。韓国での先輩と後輩の話。野中さん不器用なだけで良い人だったし、香奈との関係も変わりそうで現実と向き合いつつも良い方向へ向かいそうなラストで良かった。
「ジャンピングニー」越谷オサム
越谷さんらしい作品だなぁと思ったのが第一印象。何か、青春!っていう感じ^^;年齢的に青春じゃなくてその続きっていう感じだったけど、良かった。
「鳥かごの中身」徳永圭
今回唯一の初読み作家さん。このお話も好きでした。お隣に住んでいる小学生と「僕」のふしぎな関係の物語。お互いに大切なものに気づけて良かったです。ほかの作品も読んでみよう。
「十八階のよく飛ぶ神様」似鳥鶏
1番ぶっ飛んでましたね〜^^;面白かった。神様が座敷童みたいで可愛いなぁと思ったらまさかの展開でビックリ。それは気付かなかったわー。でも大きな被害がなくて良かった←
「月の砂漠を」三上延
間取り図を見たら昭和2年で築年数0年であれ?と思ったら昭和の話でした。関東大震災の事も出てきて胸が痛くなりました。喪失感を持った二人。でも痛みを分かち合える二人ならきっと上手く行くと思えるラストでした。
「冷やし中華にマヨネーズ」吉川トリコ
そんな男さっさと別れちまえばいいのに←全体的に私には無縁な世界だったけど最後は良かったです。

〈新潮社 2014.9〉H26.11.14読了