トオリヌケ キンシ著者:加納 朋子
文藝春秋(2014-10-14)
販売元:Amazon.co.jp
オススメ!
人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より)他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。
高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』
「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』
やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』
人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』
長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』
前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』。
加納さんの新作が出ると、まず新刊が出たことに喜びを感じます。この気持ちはきっとずっと続くんだろうなぁ。
加納さんの作品は短編も長編も大好き。また読むことが出来て本当に嬉しいです。
今回は様々な病気が登場しましたが、どれも表には表れにくい病気だから向き合うのは大変だろうなと思いました。そして、加納さんだからかけた作品なんだろうなとも思いました。
ではそれぞれ感想を。
「トオリヌケキンシ」この作品を最後まで読んで、私JRの中で泣きました^^;2滴くらい零しました←なんて。なんて素敵なお話。子供の頃って友達に対して悪気がなくても人を簡単に傷つけたり、逆に人を救ったりするんだろうなぁと思いました。陽とあずさの関係がとても可愛かったです。
「平穏で平凡で、幸運な人生」この作品も凄く好きです。平凡な女子高生だった私。そして生物の葉山先生の真面目さ。何だかもうすべてが好きでした。何となくそうだったらいいなぁと思うことが実際そうだったので^^凄く嬉しかったです。それにしてもあの自分勝手な女性は何なんだろうか。死刑にでもなっちゃえばいいのに←
「空蝉」いやー・・・少年が可哀想すぎました。最近食べてないけどミートボールを私も食べられなくなりそうです^^;それにしてもここまで変わったりするのかなぁ。そんな病気になったことないから何とも言えないけど…にしても自分が作り出したタクヤの正体には驚き!ホント、綺麗な可愛い女の子だったら良かったのにね^m^
「フー・アー・ユー」相貌失認って初めて聞きました。高校生になってからの佐藤君はとてもかっこよかったです。彼なら彼女を幸せにできるよ!
「座敷童と兎と亀と」このお話も良かったなぁ。兎野さんの奥さんが素敵。そして息子さんも旦那さんも素敵です。おじいちゃんと珊瑚ちゃんとお母さんが幸せに暮らしていけたらそれでいいです^^
「この出口の無い、閉ざされた部屋で」兎野さんちの(おそらく)次男が登場。マジ神レベルに頭が良い友人は伊東君だったんですね。ヒキコモリの理由が分かった時、胸がぎゅっと締め付けられるようでした。加納さんだから書けた作品だけど、でも読んでる側が辛いんだから書いているほうはもっと辛かっただろうななんて思ったりして。
みんな良い子で、だから悲しかったです。
この作品は短編集でしたが、最後のこの作品で今までの作品と繋がっているところがたくさんあって、締めの作品だとも感じました。
あぁ・・・やっぱり加納さんの作品は良いなぁ。大好きです。
だから無理をしないで、でもずっと小説を書き続けていってほしいなと一ファンは願っています。
〈文芸春秋 2014.10〉H26.10.30読了


『平穏で平凡〜』のあの女、本当に身勝手過ぎて
腹が立ちました。あんなくだらない理由で他人の
赤ちゃんを連れ回すなんて・・・しかも、車の
中に置き去りにするなんて。人の命を何だと思って
るんだ!と思いました。
最後の一作は、どうしても加納さんと主人公の
姿が重なってしまって、読むのが辛かったです。
経験したからこそ、書ける作品なのだろうな、と
思いました。
まだまだ書き続けて頂きたいですよね。